オギユカ
京都の2SLDKで夫と二人暮らし。古着やAMBIDEXの服が好き。作家ものの雑貨に囲まれた暮らしのなかで、機能性だけでなく「心が躍るか」を判断基準にするデザイン偏愛ライターです。定番よりも作り手のこだわりが光るユニークなプロダクトを紹介しています。「持ちものぜんぶが自分の世界観」でありたい。

旅先で写真を撮ろうとスマホを取り出したはずが、気づけば通知を開いて、SNSを眺めている。

撮った写真をその場で見返しては、「もう1枚」と撮り直す。そんな経験、ありませんか。

私はよくあります。

紅葉を見に行った神社でも、景色より画面を見ていた時間のほうが長かった気がすることも。スマホのカメラは便利で、これからも手放すつもりはありません。

ただ最近、休日のバッグにもうひとつ道具が加わりました。

撮ったら、それでおしまい

「Camp Snap 2(キャンプスナップ2)」 11,300円(税込)

それが、画面のないデジタルカメラ「Camp Snap 2(キャンプスナップ2)」です。

Camp Snap 2には、背面の液晶モニターがありません。

撮った写真はその場で確認できず、見られるのは家に帰ってパソコンに取り込んでからです。

使い方は、電源を入れてファインダーをのぞき、シャッターを押すだけ。ピントも明るさも、カメラまかせです。

しばらく触らないと自動でスリープに入りますが、シャッターを押せばすぐに撮れる状態に戻るため、撮りたいと思った瞬間にサッと使えます。

重さは約108g。初代より15%スリムになったそうで、服のポケットにすっと収まります。

4GBのmicroSDカードが最初から入っていて、充電はUSB-C。1回の充電で約500枚撮れるので、1泊2日くらいなら充電器を持たずに出かけています。

画面を見ない休日に、起きたこと

いちばん変わったのは、シャッターを押したあとの数秒間です。

スマホなら、撮った写真を確認して、ついでに通知を見て……となるところ。Camp Snap 2は見返す画面がないので、撮ったらポケットに戻すしかありません。

すると、顔を上げた先に、さっきまでの景色がそのまま残っているんです。


撮り直しができないので、1枚1枚が少しだけ慎重になるのもいい変化でした。

「これは撮りたい」と思ったものだけを撮るので、帰ってから見返す枚数もちょうどいい。家に帰ってパソコンに取り込む時間は、フィルムの現像を待っていた頃のようなわくわく感があります。

思っていたのと違う写りも、それはそれで旅の記憶になる。


取り込んでみると、失敗ショットもちゃんと混ざっています。

ピンボケだったり、画角がめちゃくちゃだったり。

フルーツを中心に撮影したと思っていたら、画角がズレていて、カメラストラップも写り込んでしまった。

ピンぼけの割り箸

スマホなら、撮ってすぐに消して、撮り直していたはずの写真です。

でも見返してみると、そのとき急いでいた空気や、笑っていた理由まで思い出せるのは、意外とこういう1枚だったりします。

失敗と「味」の境目があいまいなのも、このカメラのおもしろさだと思います。

どうしても不便なところ(個人的には許せます)

その場で確認できない以上、失敗写真はどうしても混ざります。目をつぶっていたり、逆光で暗くなっていたり、手が映り込んでいたり。

集合写真のような「絶対に残したい1枚」は、スマホでも押さえておくのが安心です。

画質は800万画素で、固定焦点のレンズ。くっきり精細というより、少し柔らかいトイカメラ寄りの写りです。

ノイズが乗ったり、写真の四隅が少し暗くなったりもするので、大きく引き伸ばしたい人には向かないかもしれません。

それから、写真の取り込みはUSB-Cケーブルでつなぐ方式で、Wi-Fiやアプリには対応していません。

撮った写真をすぐSNSに上げたい人には、ひと手間に感じると思います。ただ、この「すぐには使えない」ことこそが、私にとってはちょうどいい距離感でした。

「今」に戻ってくるための道具

スマホをやめよう、と決めるのは難しい。でも、写真を撮るときだけ別の道具に任せてみるのは、思っていたよりずっと簡単でした。

画面がないから、撮ったら顔を上げるしかない。

その小さな不便さが、目の前の景色や、隣にいる人との時間を取り戻してくれた気がしています。

次の休日、スマホはカバンの奥にしまって、ポケットにはこの小さなカメラを。

いつもより少しだけ、その日のことをよく覚えていられるかもしれません。

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