フィジカルAIの仕組みから学習データの集め方・作り方、シミュレーションと現実のズレへの対処までを解説

クラスター株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:加藤直人、以下「クラスター」)は、代表の加藤直人が著者を務める書籍『フィジカルAIとデジタルツイン』が、集英社より2026年11月26日に刊行されることをお知らせします。
加藤は2015年にクラスターを創業し、バーチャル空間のプラットフォーム「cluster」を開発・運営するほか、製造・建設・不動産などの産業向けにデジタルツイン(現実の設備や空間を、デジタル上に双子のように再現したもの)を提供しています。本書は、そのデジタルツインの現場に立つ立場から、フィジカルAIの現在地、海外との比較、日本の進む道までを論じます。
出版の背景
日経BPは、2026年に起きることを予測する「日経BP 10大徹底予測2026※1」(2025年11月21日公表)で、現実世界を認識して動く「フィジカルAI」を取り上げ、「フィジカルAI、人口減日本の救世主に」を予測の1つに挙げました。代表格としては、E2E自動運転(認識から操作まで、AIが一貫して担う自動運転)とヒューマノイド(人型ロボット)が紹介されています。政府も2026年3月26日に「AIロボティクス戦略※2」を決定し、構造的な人手不足を背景に、AIロボットの社会実装(技術を現場や暮らしの中で実際に使えるようにすること)を先行して進める方針を示しました。同戦略は、ロボット産業の国際競争力の強化を掲げ、世界の主要プレイヤーに並ぶ「第三極(もう一つの有力な勢力)」として世界シェア3割超、2040年に60兆円規模と見込む世界市場のうち20兆円規模の獲得をめざしています。同年5月27日の一部変更では、2040年までに国内で1,000万台規模のAIロボットを導入する目標と、対象18分野が示されました※3。こうした中、本書は、デジタルツインを事業として手がける著者の視点から、シミュレーションで学ばせた成果を現実の現場に展開する難しさとその実装の道筋を整理したうえで、日本に勝ち筋はあるのかを考えます。
【出典】
※1.日経BP「『日経BP 10大徹底予測2026』初公表」(2025年11月21日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000247.000041279.html
※2.AIロボティクスに関する関係府省連絡会議「AIロボティクス戦略(概要)」(2026年3月26日):https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ai_robo/dai2/shiryo3.pdf
※3.AIロボティクスに関する関係府省連絡会議「AIロボティクス戦略(概要)」(2026年5月27日一部変更):https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ai_robo/dai3/shiryo3.pdf
ビジネスの視点で読む本書のポイント
■ 深刻化する人手不足と、フィジカルAIの社会実装現在、フィジカルAIへの期待は、導入現場が抱える深刻な「人手不足」と、開発側の「投資回収」のニーズが交差する領域で急速に膨らんでいます。本書では、ビジネスの最前線でAIロボティクスがどのように実装され、価値を生み出していくのかを紐解きます。
■ 「SF的想像力」は日本の資源。3つの勝ち筋
現在、ヒューマノイド(人型ロボット)の機体開発では世界に遅れをとっている日本企業に、勝ち筋はあるのか。著者は力強く「ある」と断言し、具体的な3つの戦略を提示します。そこで鍵となるのが、著者が「この国の資源」と呼ぶ日本の「SF的想像力」です。
■ 「Sim2Real」の壁は、技術課題であり経営課題
デジタルツイン(シミュレーション)で学習させた成果を現実世界の現場に適用する「Sim2Real」の難しさは、単なる現場の技術的課題にとどまりません。事業の存続そのものを左右する、経営層が直接向き合うべき重大な経営課題であることを解説します。
■ AI時代における人間の役割「責任のスポンジ」
AIやロボットが普及する未来において、人間の仕事は「自ら作業を行うこと」から、機械の事故や誤動作の「責任を引き受けること」へと変容していきます。著者はこれを「責任のスポンジ」と定義し、これからの時代における新しい働き方と組織のあり方を提起します。
クラスター株式会社のデジタルツイン・フィジカルAIに関する取り組み
デジタルツイン:BIM・CAD・点群データから3D空間を自動生成する技術(2026年3月に特許取得)を展開しています。IoTセンサー(インターネットにつながるセンサー)連携によるリアルタイム環境可視化と、行動データと空間データの統合分析も提供します。
フィジカルAI・ロボティクス:デジタルツイン空間内で自律的に行動するAIエージェント(自ら判断して動くAI)の基盤「AI Agent Flex」(2026年5月に特許取得)により、デジタル空間で学習したAIの知見を物理空間のロボット・デバイスに展開し、リアルとデジタルの双方向でデータを循環させることを目指しています。
大規模同時接続基盤:PC、スマートフォン、VRゴーグルなど端末を問わず、最大10万人が同じ空間に同時に入れます。
本書は以下のような方におすすめです
フィジカルAIという言葉は聞くが、よくわかっていないビジネスパーソン
AIのニュースに振り回されず、自分の頭で判断したい人
ロボット・製造・物流などで、次の打ち手を考えている経営者・企画担当者
製造業・建設業・物流業の経営者・役員・事業責任者で、人手不足への対応として、自動化や省人化への投資を検討している方
フィジカルAIの導入の判断に必要な全体像をつかみきれていない、経営層・企画部門の方
製造・建設・物流の現場への導入や社会実装を前に、何がすでにできて、何がまだできないのかを見きわめたい、製造現場の責任者・DX推進の方
製造業・建設業などの中長期の事業戦略や設備投資計画に、フィジカルAIとデジタルツインをどう位置づけるかを考えはじめた、経営企画・事業開発の方
書籍の概要

【「AI驚き屋※4」に振り回されず、「フィジカルAI」の本質がわかる一冊】
本書は、日本のデジタルツインを牽引する起業家が、重要キーワードの解像度を上げる「新時代を生き抜くための戦略書」です。生成AIの次の潮流として注目を集める「フィジカルAI」。AIが身体を得て、現実世界で働く実装の段階に入りつつあります。
しかし、「すごい」という驚きを前面に出した情報だけでは、いま現在、何ができて、何ができないのかは見えてきません。
京都大学理学部で宇宙論と量子物性論を研究し、約3年間のひきこもりを経て起業した著者が、デジタルツインを事業として手がける立場から、専門知識がない読者に向けて、ニュースの見出しの裏にある「具体的なテクノロジー」を解き明かします。
※4.「AI驚き屋」:AIが生み出す印象的な場面を切り取って大げさに驚いてみせる人を指す。
【目次】
・はじめに
・第1章 「AI落ち着き屋※5」からの報告
・第2章 フィジカルAIとは何か
・第3章 フィジカルAIの解剖学
・第4章 データとシミュレーション
・第5章 挑戦するプレイヤーたち
・第6章 未来と日本の勝ち筋
・おわりに
(第1・2・3・5・6章の後に、SF作品を題材にしたコラムを各1本、全5本収録)
※5.「AI落ち着き屋」:本書の第1章で用いられる言葉。AIが生み出す印象的な場面を切り取って大げさに驚いてみせる「AI驚き屋」と対比して、いま現在、何ができて、何ができないのかを冷静に語る立場を指す。
書籍情報
発売日:2026年11月26日
定価:1,650円(10%税込)
ISBN:978-4-08-788134-9
発行:株式会社集英社
詳細ページ:https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-788134-9
加藤直人 プロフィール

京都大学理学部で、宇宙論と量子物性論を研究。同大学院を中退後、約3年間のひきこもり生活を過ごす。2015年にVR技術を駆使したスタートアップ「クラスター」を起業。2017年、大規模バーチャルイベントを開催することのできるVRプラットフォーム「cluster」を公開。現在は国内最大級のバーチャルプラットフォームとして、エンターテインメントにとどまらず自治体・教育・製造業など産業領域での活用を推進している。
経済誌『Forbes JAPAN』の「世界を変える30歳未満30人の日本人」に選出。同じく「日本の起業家ランキング」のTOP20に2年連続で選出。著書に『メタバース さよならアトムの時代』(集英社/2022年)『フィジカルAIとデジタルツイン』(集英社/2026年)。2026年大阪電気通信大学客員教授。
クラスター株式会社の沿革


■クラスター株式会社について
クラスター株式会社は、「あらゆるヒト、モノ、技術をつなげる共創空間のOSをつくる」をビジョンに掲げ、日本最大級のバーチャル空間のプラットフォームを開発・運営するテクノロジーカンパニーです。独自開発した大規模同時接続基盤を核に、リアルとバーチャルを融合する共創空間インフラを提供しています。製造・建設・教育・国際会議・エンターテインメントなど多様な業界で採用され、スマートフォン/PC/VRなどマルチデバイスに対応。最大10万人が同時接続できるリアルタイム空間を構築し、多数のIPコンテンツや大型イベントで実績を重ねています。高い信頼性と拡張性を兼ね備え、商業利用とスケールの両立を実現するBtoB型プラットフォームとして成長を続けています。
また、研究所を社内に設置し、ユーザー行動解析、バーチャルAIエージェント、AIによる3D制作自動化などのR&Dを推進。外部研究機関・大学との共同研究や実証実験も積極的に展開し、技術の進化を加速させています。
テクノロジーと創造力を融合し、バーチャル体験の未来を切り拓く―クラスターは次世代の社会インフラをつくり続けます。
https://corp.cluster.mu/
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