「最近、毎日マツコ・デラックスを見るなぁ」
皆さん、なんとなくそう思っていませんか? それもそのはず、コラムニストでタレントのマツコ・デラックスさんは、この春からテレビのレギュラー番組が週9本になりました。同時にCMには9本も出ています(3月時点)。
単にテレビに登場するだけでなく、番組内で「美味しい」と発言した商品が人気の商品になるなど、その影響力や経済効果はかなり高いものがあるマツコさん。その魅力は「毒舌」と言われがちですが、本質は「誰もがなんとなく思っていることを、わかりやすく伝えてくれる」という点ではないでしょうか。誰かに気を遣ったコメントではなく、常に正直であるからこそ、マツコさんの「美味しい!!」には、説得力があるのです。
そんなマツコさんは最近、数字が低迷するテレビ業界について、「11時台の総バラエティ化」を提案しています。
なぜ「午後11時台のテレビ」に注目するのか?
『マツコ&有吉の怒り新党』『月曜から夜ふかし』『アウト×デラックス』など、マツコさんが登場する時間帯はどちらかというと深夜枠。『怒り新党』も同じく深夜枠でしたが、一度、11時台に移行したことがありました。
人気の高い同番組でしたが、もし移行することがあっても、「11時台が限度」「ゴールデン・タイムにはいかない」ことがあらかじめ決まっていたと、マツコさんは自著『デラックスじゃない』で明かしています。ゴールデン・タイムよりも11時台で、という考え方です。
「別にゴールデン・タイムに耐えられない内容ということではなく、『午後11時台こそゴールデン・タイムなんだよ』という発想なの。こういう内容のメッセージこそ、お父さんもお母さんも会社勤めの息子も高校生の娘も観てほしいという発想なの。コレって、それこそ昔の9時台の番組の発想じゃん。それがいまは11時台なのよ」(同書より)
と、同番組について語ります。
最近は、スマホやタブレットに触れる時間が長くなり、テレビの視聴時間が削られています。また若者も忙しくなり、ゆっくりテレビを観ることができる時間が、以前のゴールデン・タイムと呼ばれた夜7時から、随分と遅くなっているのではないでしょうか。マツコさんが考える現在の若者たちのゴールデン・タイムは「11時台」。この時間帯の番組作りを強化することが、若者のテレビ返りのチャンスだと考えているのです。