フェイスペイント・ボディペイント・つけまつげ接着剤によるかぶれリスクと安全なケア方法を皮膚科医が解説

【結論】本調査のポイント
結論から言うと、フェイスペイントで肌がかぶれた場合は、まず刺激の少ないクレンジングで丁寧に落とし、症状が続く場合は皮膚科を受診してください。ハロウィンメイクは一時的な使用であれば多くの方に問題ありませんが、肌が敏感な方や小さなお子様は事前のパッチテストが重要です。子どもの顔へのペイントは、化粧品基準を満たした製品を使用し、目や口の周りを避け、使用後は速やかに落とすことで安全に楽しめます。

・仮装メイク経験者の58.7%が何らかの肌トラブルを経験
・トラブル経験者の42.3%が「かゆみ・赤み」を発症
・33.0%が「正しい落とし方を知らない」と回答
用語解説
■ 接触皮膚炎(かぶれ)とは
接触皮膚炎とは、皮膚に接触した物質によって引き起こされる炎症性の皮膚疾患である。化粧品や金属、植物などの外的刺激が原因となり、かゆみ・赤み・湿疹・水ぶくれなどの症状が現れる。刺激性とアレルギー性の2種類があり、フェイスペイントによるかぶれは主にアレルギー性接触皮膚炎に分類される。
■ パッチテストとは
パッチテストとは、特定の物質に対するアレルギー反応の有無を調べる検査法である。使用予定の化粧品やペイント剤を腕の内側などに少量塗布し、24~48時間後の皮膚反応を観察することで、かぶれのリスクを事前に確認できる。
■ 化粧品基準とは
化粧品基準とは、厚生労働省が定める化粧品に配合できる成分の規格基準である。フェイスペイント製品を選ぶ際は、この基準を満たした国内メーカー品や、FDAの安全基準をクリアした製品を選ぶことが推奨される。
フェイスペイントの種類別特徴と注意点の比較

※一般的な目安であり、個人差があります。

皮膚腫瘍・皮膚外科治療を専門とする医療法人社団鉄結会アイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、ハロウィンシーズンを前に、仮装メイク・フェイスペイントに関する肌トラブル実態調査を実施しました。本調査では、フェイスペイントやボディペイント、つけまつげ接着剤などによるかぶれの実態と、正しいケア方法の認知度を明らかにしています。
調査背景
毎年10月31日のハロウィンに向けて、仮装イベントやパーティーに参加する方が増加しています。それに伴い、フェイスペイントやボディペイント、特殊メイクによる肌トラブルの相談も増えています。特に、普段使用しない化粧品や海外製のペイント剤による接触皮膚炎(かぶれ)、つけまつげ接着剤によるまぶたの腫れなど、ハロウィン特有の皮膚トラブルが問題となっています。当院では、楽しいイベントを安全に過ごしていただくため、肌トラブルの実態と正しい対処法を啓発する目的で本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:過去3年以内にハロウィンの仮装メイク・フェイスペイントを経験したことがある全国の20~50代の男女
調査期間:2026年10月5日~10月14日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】約6割が仮装メイク後に何らかの肌トラブルを経験
設問:ハロウィンの仮装メイク・フェイスペイント後に肌トラブルを経験したことはありますか?



仮装メイク経験者の約6割が肌トラブルを経験していることが判明しました。普段使用しない化粧品やペイント剤を使用することで、想定以上に多くの方が肌への影響を受けていることがわかります。
【調査結果】最も多い症状は「かゆみ・赤み」で42.3%が経験
設問:経験した肌トラブルの症状として最も近いものはどれですか?(トラブル経験者のみ)



かゆみや赤みといった接触皮膚炎の典型的な症状が最も多く、次いで乾燥やつっぱりが報告されています。これらは、ペイント剤の成分による刺激や、メイクを長時間落とさないことが原因と考えられます。
【調査結果】3人に1人が「正しい落とし方を知らない」と回答
設問:仮装メイク・フェイスペイントの正しい落とし方を知っていますか?



「よく知っている」と回答した人はわずか18.3%にとどまり、33.0%が「知らない」と回答しています。正しいケア方法の認知不足が、肌トラブルの一因となっている可能性があります。
【調査結果】「価格」重視が36.7%で最多、「肌への安全性」は25.3%
設問:フェイスペイント製品を購入する際、何を最も重視しますか?



価格を重視する人が最も多い一方、肌への安全性を重視する人は4人に1人程度でした。安価な製品は品質にばらつきがある場合があり、安全性への意識向上が必要です。
【調査結果】子どもへの使用時にパッチテストを「必ず行う」のはわずか12.7%
設問:子どもにフェイスペイントをする際、事前にパッチテストを行いますか?



子どもにフェイスペイントを使用する保護者の多くがパッチテストを行っていないことが判明しました。子どもの肌は大人より敏感であり、事前のパッチテストは特に重要です。
調査まとめ
本調査により、ハロウィンの仮装メイク・フェイスペイントに関する肌トラブルの実態が明らかになりました。約6割が何らかのトラブルを経験し、最も多い症状は「かゆみ・赤み」でした。一方で、正しい落とし方を知らない人が3人に1人存在し、製品選びでは「価格」を重視する人が最多で「肌への安全性」を重視する人は4分の1程度にとどまりました。また、子どもへの使用時にパッチテストを実施している人は少数派であり、安全意識の向上が課題として浮き彫りになりました。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、ハロウィンシーズンは仮装メイクによる接触皮膚炎の相談が明らかに増加します。適切な製品選びと正しいケア方法を知っていれば、多くのトラブルは予防できます。


フェイスペイントやボディペイントによる肌トラブルの多くは、製品に含まれる色素や防腐剤、香料などに対するアレルギー反応、または長時間の使用による刺激が原因です。特に海外製の安価な製品は、日本の化粧品基準を満たしていない場合があり注意が必要です。

つけまつげ接着剤によるまぶたの腫れやかぶれも毎年多く見られます。接着剤に含まれるラテックスやホルムアルデヒドにアレルギーを持つ方は、成分表示を必ず確認してください。症状が出た場合は、こすらずに低刺激のクレンジングで丁寧に落とし、冷水で洗い流した後、保湿剤を塗布することが基本です。

子どもの肌は大人に比べてバリア機能が未熟で、刺激に敏感です。子どもにフェイスペイントを使用する場合は、必ず事前にパッチテストを行い、使用時間は3~4時間以内を目安とし、イベント終了後は速やかに落としてください。

日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインでも、原因物質との接触を避けることが最も重要な予防法とされています。かゆみや赤みが数日続く場合、水ぶくれができた場合、または症状が広範囲に及ぶ場合は、自己判断せず皮膚科を受診することをお勧めします。


【エビデンス】日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインでは、原因物質の特定と回避が治療の基本とされています。皮膚科医としての臨床経験では、パッチテストを実施し原因物質を特定することで、再発を効果的に防ぐことができます。
フェイスペイントを安全に使用するためのポイント
・国内メーカー品またはFDA認可製品を選ぶ
・使用前に腕の内側で24時間のパッチテストを行う
・目や口の周り、傷のある部分への使用を避ける
・使用時間は4~6時間以内を目安とする
正しいメイクの落とし方
・水性ペイントはぬるま湯で優しく洗い流す
・油性ペイントは低刺激のクレンジングオイルを使用
・こすらず、押さえるように拭き取る
・洗顔後は十分な保湿を行う
こんな症状は皮膚科へ
・かゆみ・赤みが48時間以上続く場合
・水ぶくれや湿疹ができた場合
・腫れが引かない、または悪化する場合
・目の周りに症状が出た場合
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当


専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医


臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上


略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者


監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. フェイスペイントで肌がかぶれたらどうすればいい?
A. まず速やかにペイントを落とし、症状が続く場合は皮膚科を受診してください。
本調査では58.7%が肌トラブルを経験しており、最も多い症状は「かゆみ・赤み」でした。かぶれた場合は、こすらずに低刺激のクレンジングで丁寧に落とし、冷水で洗い流してください。その後、保湿剤を塗布し、症状が48時間以上続く場合や悪化する場合は皮膚科を受診しましょう。

Q2. ハロウィンメイクは肌に悪い?
A. 適切な製品を選び、正しくケアすれば一時的な使用は多くの方に問題ありません。
調査では製品選びで「肌への安全性」を重視する人は25.3%にとどまり、「価格」重視が36.7%で最多でした。化粧品基準を満たした製品を選び、使用時間を4~6時間以内に抑え、使用後は丁寧に落とすことで、肌への負担を最小限に抑えられます。

Q3. 子どもの顔にペイントしても大丈夫?
A. 子ども用または化粧品基準を満たした製品を使用し、事前のパッチテストを行えば楽しめます。
しかし調査では、子どもへの使用時にパッチテストを「必ず行う」と回答した人はわずか12.7%でした。子どもの肌はバリア機能が未熟なため、必ず事前にパッチテストを行い、目や口の周りを避け、使用時間は3~4時間以内を目安としてください。

Q4. つけまつげ接着剤でまぶたが腫れたらどうする?
A. 接着剤を丁寧に取り除き、冷やして様子を見ましょう。腫れが引かない場合は受診を。
つけまつげ接着剤に含まれるラテックスやホルムアルデヒドが原因でアレルギー反応を起こすことがあります。まずは低刺激のリムーバーで接着剤を取り除き、清潔な冷たいタオルで冷やしてください。24時間経っても腫れが引かない、または悪化する場合は皮膚科を受診しましょう。

Q5. 水性と油性のフェイスペイント、どちらが肌に優しい?
A. 一般的に水性ペイントの方が肌への負担が少なく、落としやすいためおすすめです。
水性ペイントは水で簡単に落とせるため肌への負担が少なく、子どもにも推奨されます。油性ペイントは発色が良く持続性に優れますが、クレンジングが必要で肌への負担がやや高くなります。肌が敏感な方は水性タイプを選ぶと良いでしょう。
放置のリスク
・かぶれを放置すると色素沈着や慢性化の恐れがある
・接着剤アレルギーによるまぶたの腫れが悪化すると、目を開けにくくなることがある
・同じ製品を繰り返し使用することでアレルギーが重症化する可能性がある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・かゆみや赤みが48時間以上続く場合
・水ぶくれや湿疹ができた場合
・腫れが引かない、または広がっている場合
・目の周りに症状が出て視界に影響がある場合
・症状が全身に広がった場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科・形成外科の医師が連携し、肌トラブルに幅広く対応(※新宿院一般皮膚科のみの対応)
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で通いやすい
・土日祝日も診療、当日予約も可能(院により異なる)
・接触皮膚炎の原因特定のためのパッチテストにも対応(※新宿院一般皮膚科のみの対応)

アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 One-葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画

診療予約は以下より承っております。お気軽にご利用ください。
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