競技部門「ヘキサうどん」決勝戦の模様
全国高等専門学校連合会は10月10日、11日の2日間、「第37回全国高等専門学校プログラミングコンテスト(高専プロコン)」本選を開催した。会場は香川県高松市の高松駅にほど近いサンポートホール高松。今回のスローガンは「香川で打つ、挑戦のアルゴリズム」。香川高等専門学校(高松キャンパス)を主管校に、予選を勝ち抜いた精鋭たちが高松に集結した。競技・審査の結果、競技部門は東京工業高等専門学校の「ウドーンターニー(正式にはタイ語表記)」チームが優勝した。課題部門では大島商船高等専門学校の「GUARD Connection ―早期介入・医療業務効率化支援―」チームが、自由部門では仙台高等専門学校(広瀬キャンパス)の「超えかき歌!」チームがそれぞれ最優秀賞を勝ち取った。東京高専、大島商船高専、仙台高専の各チームは、27年1月22日に東京国際フォーラムで開催される「BCN ITジュニア賞 表彰式」に招待される。
四国・香川といえば「うどんとお遍路」。競技部門の今年のテーマは「うどん屋巡り」を模した「ヘキサうどん」だ。いかに多くのうどん屋を巡りうどん玉を集めるか、という経路探索型の競技。競技フィールドは六角形の「セル」で構成されている。それぞれのセルは「道路」「平地」「山地」、あるいは、進入できない「池」の4種類のいずれかに設定。「渋滞状況」なども加味しながらうどん店を効率的に巡り、うどん玉を獲得していく。うどん獲得担当の「巡回車」と、巡回車に燃料を補給する「補給車」があり、それぞれの台数の割り振りもチームにゆだねられている。成績は、獲得したうどんの「種類」とその累積、獲得したうどんの「総玉数」、最終有効回答時間の短さで決まる。
優勝した東京高専は、前回の松江大会で八戸高専に僅差で敗れ準優勝で涙をのんだ。今大会では、1回戦の第5試合で両校が直接対決。東京高専は1位通過で見事雪辱を果たした。さらに準決勝でも全体のトップスコア、決勝でも累積159を叩き出し、1回戦・準決勝・決勝全て1位の完全優勝を成し遂げた。一方、準優勝の明石高専は、1回戦で全体最多の64玉を記録し、決勝でも東京高専を1玉上回る172玉を獲得。しかし累積種類数わずか3差で及ばなかった。3位には仙台高専広瀬キャンパスのチーム「おぉ」が入賞した。なお、準決勝第3試合では、一関高専と長岡高専が全ての指標で完全に同点。サイコロ勝負にもつれ込み、一関高専が1位通過を決める、という場面があった。
課題部門は、テーマが「ICTを活用した作業効率の向上」。最優秀賞に輝いたのが大島商船高等専門学校の「GUARD Connection ―早期介入・医療業務効率化支援―」チーム。脳梗塞の主要な原因でもある「心房細動」の早期発見と、緊急時対応や医療現場の業務効率化を同時に実現するという、極めて実用的な支援システムだ。発作性の心房細動は発見が難しいとされており、長期にわたる検査に伴う膨大な記録データの確認が医療現場の大きな負担になっている。これを支援するシステムだ。患者が腕に装着するウェアラブル端末と「患者・家族用アプリ」「医師用アプリ」、さらにAIで解析するサーバーで構成。独自の解析手法で判定する。医師が確認すべき異常な値だけを抽出。判読作業にかかる時間を大幅に削減した。
自由部門では、仙台高等専門学校(広瀬キャンパス)チームの「超えかき歌!」が最優秀賞を受けた。ユーザーが自由に描いた絵からオリジナルの絵描き歌を自動生成するブラウザ完結型のシステム。子どもたちが作品の仕上がりだけでなく、描く過程や自由な表現そのものを楽しみ、「また描いてみたい」と思える創作体験を目指して開発された。ブラウザ上のキャンバスに自由に絵を描いて「歌をつくる!」ボタンを押すと、生成AIが処理。「どのような順番で描いたか」を生かすため、描き順や位置などの「ストローク情報」も同時に解析し、題材や形、描画順序を構造化した上で手順に沿った歌詞を自動生成するもの。さらに、歌詞を日本語の音の単位に分解。アクセントや言葉の区切りを基に音の高さや長さ、休符を割り当てる独自の楽譜生成処理を開発し自然な歌声として再生する。
閉会式では、京都橘大学教授の大場みち子審査委員長が講評。「AIの活用は『試す』段階から、課題解決の道具になった。一方で、AIの出力をどう評価し、なぜその結果を採用するのかを説明する力、限られた発表時間の中で最も伝えるべき価値を絞り込む力、利用者視点で情報を整理する力が、今後ますます重要になる」と話した。さらに「技術を自在に扱う力に加え、その技術の価値と責任を自分の言葉で語れる技術者へと成長してほしい。この大会が次のステップへの出発点となることを願っている」と結んだ。
次回の第38回高専プロコンは、久留米工業高等専門学校を主管校に、27年10月9日・10日の両日、久留米シティプラザで開催される。課題部門のテーマは引き続き「ICTを活用した作業効率の向上」に決まった。







