
東京書籍株式会社は、2026年10月22日に書籍『有元さん、きのうは何を食べました?』(有元葉子/著)を発売いたしました。
解説
有元さんが日々記録した、丸1年におよぶ「食事メモ」を追い、毎日の食事の中から、「根掘り葉掘り・見て聞いて」撮影。
――料理家・有元葉子の、「いつもの食卓」。
「何の飾りもない私の素の食事メモが、何の役に立つのかしら?」
先生はそう首をかしげます。
それは、私たちにとって、宝の山でした。
はじめに
毎日の食事メモ、役に立つのかしら?「先生が毎日何を食べているか知りたいので、一日三食を一年間メモしてくれませんか?」 と、この企画のオファーを受けたとき、「どうしてそんなこと、知りたいの?」と私は疑問でいっぱい。それに昨日何を食べたか思い出すのも大変なのに。よく聞いてみると私が年齢の割には元気だから、何を食べているか知りたいとのこと。私の毎日の食事は特段ご馳走を食べているわけでもないし、食べない日もあり、健康志向でもない食事だし……と「?」マークはずっと頭の片隅に。
渋々引き受けて、何の役に立つのだろうかと思いつつ一年間毎日つけた私の食事メモ、それは決して理想形でもなくお手本になるものでもありません。ただ、毎日メモを続けるうちに、気持ちの持ち方は少しずつ変わってきたようです。毎日体重を量るだけで段々と理想の体重に近づいてくる、ということもあると聞いています。それと同じように、毎日食事のメモをするだけで何かが変わるのかもしれません。自分の体がどんなものを食べてでき上がっているのかを第三者の目で眺めてみるのも興味深いことです。何の心算も持たずに淡々とメモをとるだけ、後でそれを見てみるとその時分の心や体の状況が客観的に見えてくる。これは悪くなさそう……と思うようになりました。これは次への第一歩にもなるかもしれません。
メモによれば私の場合、朝はパン食がほとんどであることが明らかなので、これからはここを変えてみようと思っています。ときどき、惰性でパン食になっていることもあるからです。昼は仕事中でのごはん作りでシンプルすぎることも多々あります。昼食をもう少し考え直してもっとバリエーションが欲しいな、とも思っています。
晩は仕事から帰って疲れていることが多く、野菜を洗ったり、だしを一からとったり、というところから食事の支度に取りかかりたくはないというのが正直なところです。そういうときに自分がどうしているかも見えてきます。疲れて何もしたくないけれどお腹は満たしたい、そんなときに重宝するのが作って冷凍しておいただし汁やめんつゆ、そしておかずのいろいろです。食事メモをつらつらと眺めてみると、そんなものがいたるところに出てきます。
我が家の冷凍庫は自家製冷凍品でいっぱいなので、朝出かけるときに晩に使いそうなものを冷蔵庫に移します。そんな様子が第三者の視点で見ると見えてきます。冷凍庫を循環させるために冷凍品を使用するという本末転倒なこともままありますが、それはそれでよし、と自分には甘いものです。
食事メモをふり返って、自分はこの程度なのか~と暗澹とすることもあるけれど、正直な自分の食事を見ることができて今はよかったなと思っています。ただ、これは他人様にお見せするものでもないな、とも思います。今回の私は人身御供(笑)のようではありますが、毎日食べたものをメモすることは、食生活が気になっている人の何かの助けになるかもしれません。毎日の正直な食事メモを体重と同じと考えてつけてみるのも確かに悪くない。むしろいいかもしれませんよ。
この私のメモ自体が役に立つことは期待できないとしても、メモをつけるという行為が何かの変化に役立つかもしれません。これが書籍になることで誰かの何かの役に立てばいいなあと密かに思っています。
今、本になる前の校正を見ている段階ですが、何より編集者の“見て聞いて”の目線が面白い。そして同じ編集者の目で自分の食を眺めている自分がそこにいると感じています。
今はそういった第三者の視点で、この本を楽しんでいるところです。
有元葉子

目次

【昼】バゲット/シャルキュトリー/ロメインレタス/紅茶 【おやつ】ミルクティー 【晩】卵とニラのお粥

【朝】トースト/コーヒー 【昼】黒豆玄米ご飯/にんじんとブロッコリー/たこのカルパッチョ/炭酸水 【おやつ】みかん

【晩】ミニトマトとモッツァレラのパスタ

【晩】いわしの一夜干し/しらたき山椒

【晩】いかのにんにく青唐辛子炒め/じゃがバター、ミディトマト
著者情報
有元葉子 Yoko Arimoto素材の持ち味を生かしたシンプルな料理、センスのよい暮らしぶりが世代を超えて人気。自分が本当によいと思える食材と調味料を使い、心と体が納得するおいしさを追求。東京・田園調布で料理教室「COOKING CLASS」を主宰し、さまざまなイベントも行なっている。
www.arimotoyoko.com
コンテンツ
毎日の食事メモ、役に立つのかしら?有元さん、きのうは何を食べました?
夏~秋 9月~10月
秋~冬 11月~12月
冬~春 1月~4月
春~夏 5月~8月
イタリアの家では
朝・昼・晩 食事メモ
<概要>
『有元さん、きのうは何を食べました?』
■有元葉子/著
■定価2,970円(本体2,700円+税10%)
■A5・264頁
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/product/books/81883/
東京書籍株式会社
東京書籍は1909(明治42)年創業。「教育と文化を通じて人づくり」を企業理念とし、新しい時代に挑戦する個性的、創造的な人材の育成を目指しています。小・中・高等学校の教科書発行部数が最多の教科書業界最大手の出版社です。近年、デジタル教科書など教育用デジタルコンテンツの開発・販売にも注力しています。その他、教育総合ポータルサイト運営、学力・体力テストなどの各種評価事業、一般書籍の発行など教育と文化に係る幅広い事業活動を行っています。
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