2026年のプリンターメーカー各社の価格改定の動き

【家電コンサルのお得な話・321】 2026年、プリンターメーカー各社は、インクやトナーなどの消耗品価格を相次いで改定した。各社で対象や改定率は異なるものの、家庭や職場の印刷コストに関わる動きである。

本体価格だけでは見えない印刷コスト

値上げの背景にあるのは、原材料費やエネルギー価格、物流費などの上昇だ。各社の発表では、経費削減などに努めながらも従来の価格を維持することが難しくなったと説明している。

プリンターには、本体を買うときの「イニシャルコスト」と、使い続けることで発生する「ランニングコスト」がある。購入時に本体が安くても、印刷枚数が多ければ、短期間でもすぐにインク代が本体価格を上回ってしまう。比較すべきは、本体の値札だけではなく、実際に使った場合の総費用である。

特に家庭用インクジェットプリンターは、以前から「本体に比べて高い」と感じていた人は多いだろう。今回の価格改定を機に、購入時の考え方を見直したい。

機種を選ぶ際には、スキャナーの有無やディスクのレーベル印刷など、本体の機能は比較しやすい。ただ、インクジェットプリンターのカラーインクには複数の色を1つのカートリッジにまとめた一体型と、色ごとに交換できる独立型があり、一体型では、1色がなくなってもカートリッジ全体を交換する必要がある。そのため、何を多く印刷するかによって、購入後のランニングコストも変わる。

また、使用するインクは機種ごとに異なるため、買い替え時にインクが残っていても新機種には使えない場合がほとんどで、買い置きもしにくいのが現状だ。さらに、使用頻度が少なくても、目詰まりを防ぐクリーニングなどでインクを消費する機種がある。購入前には純正インクの価格、交換方式、メーカーが公表する印刷可能枚数や印刷コストの目安を確認したい。

間もなく年賀状の季節である。年賀状の需要は減少を続けているが、家庭用プリンターの利用目的を調べた過去の調査では、「年賀状・はがきの印刷」が最多だった。こうした家庭で年賀状を印刷する人にとってインク代の上昇は新たな負担になる。

プリンター選びは、必要な機能と本体価格だけで決める時代ではない。自分が何を、どれだけ印刷するのか。インクの値上げは、購入後の費用まで考えて選ぶ重要性を教えている。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)