AI時代に問い直される、身体で感じ・生きようとする人間本来の記憶。日本の原風景で自然と共に暮らす人々の姿が、釜山国際映画祭に正式出品!12月12日よりシアター・イメージフォーラム(渋谷)で公開決定!

一般社団法人BOOT(所在地:福島県西会津町奥川)は、走馬灯上映委員会のメンバーとして映画「走馬灯」の制作サポート並びにデザイン等を担当し、この映画を通して発されたメッセージを届ける活動をサポートしています。




映画『走馬灯』とはーーー

- 山奥の故郷の地域づくりから生まれたドキュメンタリー映画
- きっかけは、地域で撮って、地域で観る 映像制作ユニット「つぎの民話」による企画提案
- ドキュメンタリー映画の国際企画会議で国際共同制作決定
- 「なぜこの山奥に住み続け、ここで最期を迎えたいのか?」を圧倒的映像美と音場体験で表現
- 世界的評価を受け、釜山国際映画祭へ!地域づくり活動がレッドカーペットを歩く奇跡に!!
- その場にいるかような映画体験!その没入感は、本能的なレベルでの「帰郷」の体験をもたらす
- 日本だけでなく、世界の人々に「故郷とはなにか」「生きるとはなにか」を問い直すきっかけに
- 12月12日(土)より日本公開決定!!上映館はシアター・イメージフォーラム(渋谷)
- 映画「走馬灯」公式サイト https://www.soumatou.jp
- 前売り券販売中 https://www.soumatou.jp/ticket





あらすじ

雪深い東北の村にわずかに息衝く、生の記憶と地霊の声。
消えゆく山の民の姿を、圧倒的映像美で綴る-----
未来の民話が、いま生まれる。

福島県西会津町奥川。縄文の昔から山と共にあった村が、人口減少の末に消えようとしている。残るのは、生まれ育った500人の老人たち。2012年、そこへひとりの男が帰ってきた。福島第一原発事故の後、居ても立ってもいられなくなって故郷へと向かった男を迎えたのは、今は亡き ばあちゃん と共に育った桜の木だった。

 ここ(村を)継げよ。誰にも売んなよ。

 でもここじゃ食っていけねえからなあ。なじょ(どう)する?
ばあちゃんの声に導かれ、時が止まったような村に男は馴染んでいく。
人の手を離れて荒れた風景から、次第に村人たちの声が聞こえてくる。

   ここがいい。ここで死にてえ。

村人は祭りや山の神への信仰を細々と続けながら、山菜やキノコの採集を楽しみ、獣肉を分けあった記憶を思い起こし、先祖に手を合わせながらやがて来る死を想う。

   死んでる人も生きてるから。みんな見守ってくれっから。

都会の物差しで見れば、不便で厳しい山奥だが、村人にとっては、はるか昔から先祖たちが生まれて死んできた命の揺籠だ。ここで人はキノコのように土と繋がり、死者と繋がり、命の終わりには親しんだ風景に消えていく。現代社会の忘れかけている生まれた場所で死ぬ喜びを男は発見する。
世界人口の6割が都市に住むという未曾有の段階を迎えた現代社会の周縁で、無数の集落が消滅の運命を辿る。映画は日本の地方だけでなく、全世界の消えゆく故郷を念頭に記録され、「人が心から帰りたいと願う場所とは何か」を希望と共に問いかける。
男は山の神が宿る御神木から新しい家を建て始める。先祖がそうしてきたように。

  もしこの土地の記憶がなくなったら、故郷は記憶喪失になってしまう---

ひとりの人が死を前にその人生のすべてをフラッシュバックするように、ひとつの村の消滅を前に、土地の記憶と先祖たちの声が走馬灯のようによみがえる。





監督は『私だけ聴こえる』(令和4年度文化庁映画賞大賞)の松井至。本作は、2024年に西会津奥川の村の人々より依頼を受けた映像作家の松井至が、世界最先端の映画プロデューサーCHARLOTTE COOKと共に制作を開始。1年を通して撮影された奥川の四季は圧倒的な映像美で五感を呼び覚まし、西会津の水や木や石を楽器にして作られた音が現地にいるかのように響き渡り、本能的なレベルでの「帰郷」の体験をもたらす。




有識者コメント

福岡伸一(生物学者・作家)

あらゆるものは移ろい流れ行くのが動的平衡のことわりである。
このことをカズオ・イシグロに話したとき、彼は、記憶だけがそれに対する部分的な勝利である、と言った。部分的とは文字通りほんのわずかなかけらの集まりでしかない。この映像は、3/11以降、急速に失われ、まもなく姿を消すであろう日本の原風景へのかそけきあらがいである。
しかしその記憶は、確かなエピタフとして残された者の内側に継承され続ける。
※エピタフ=墓石に刻まれた言葉

山極壽一(霊長類学・人類学者)

ふるさとにいると、いろんな声が聞こえてる。
先に逝った人の声だったり、
小さいころに聞いた虫や鳥の鳴き声だったりする。
ただ、それは自然が豊かで、
人々が寄り添って生きる場所でなければならない。
過疎が進行し、不便なふるさとになぜ人は帰ろうとするのか。
そこには分かち合い笑い合う暮らしの本質があり、
死ぬまで生き切ることができる世界があるからではないか。
「シャボン玉の中にいるような」美しい情景がここにある。

早川ユミ(布作家)

田んぼをつくるひとが、お米をたべる。
お米をおなかにいれると、お米とひとつになる。
そんな田んぼといったいになる村びとが、稲を祈り、祀る。
村の大きな樹が、こんどは、稲とひとつになったひとをみる。
土着する、循環の生きかたが、ここにある。
それは、お米の神さまと生きる、だれしものこころにある、にっぽんの原郷である。

寺尾紗穂 (音楽家・文筆家)

上見れば 虫コ 中見れば 綿コ 下見れば 雪コ。
かつて雪国の子供たちがそう雪を眼差したように、
自然にもぐりこんでそこに迫っていく感性は、
見る者を美しくも、心もとない場所に連れてゆく。
肉薄と俯瞰のはざまを縫う余白の多い音楽が、映画の特異さをあぶり出し、
あまりに特別で、これをドキュメンタリーと呼びたくない。




*著名人コメントは公式サイトにも掲載中


制作の経緯

「もう間に合わないんです。最後にメッセージを発しないと、奥川は消えてなくなります」
人口減少と高齢化が著しく進む西会津町奥川地区(最盛期人口約4000人、現在人口約500人、うち50歳以下の”若者”は約30人)。映画「走馬灯」は、この地で長く地域づくりに取り組んできた住民の「このままでは、奥川の暮らしの記憶が消えてしまう」という切実な思いから生まれたドキュメンタリー映画です。





「なぜ、ここに住み続けるのか」

奥川の住民たちは、長きに渡り地域づくり協議会などを通じて地域活性化に取り組んできました。関係人口が増加し、外部の人たちの受け入れに住民が慣れていくなど、多くの変化が生まれる一方で、人口減少は止まることなく、土地と深く結びついて暮らしてきた「土地の人」たちが次々といなくなっていく現実に、強い危機感を抱くようになります。

奥川で生まれ育った人々にとって、「なぜこの山奥に暮らし続けるのか」は、改めて問うことも、互いに言葉にすることもない当たり前の日常です。だからこそ、人々が胸に抱いてきた哲学のような感覚は、記録されることなく失われつつあります。

そんな中、映画の企画を地元の人たちに伝えた際、返ってきたのは次の言葉でした。

「なんでこんな山奥に住み続けているのか、それをテーマにした映画ってことか。それはぜひ撮ってもらいたい」




約15年前に海外から奥川に戻り、地域づくりを続けてきた矢部氏(奥川地域づくり協議会 発起人・副会長)が松井至監督に映画制作を依頼したときの言葉は、

「もう間に合わないんです。最後にメッセージを発しないと、奥川は消えてなくなります」

でした。監督からの返答は「では、矢部さんが主人公になりますが、それでもいいですか」。思いがけない提案を受け入れたことで、地域づくりの当事者自身がカメラの前に立つ撮影が始まりました。撮影は1年以上に及びました。





国際共同制作決定、そして釜山国際映画祭へ

松井監督が国際的なドキュメンタリー映画の企画ピッチで本作を発表したところ、米国のドキュメンタリー映画界で長年活動してきたプロデューサー、シャーロット・クック氏の目に留まり、プロデューサーとして参加しました。審査員からは、世界各地で故郷が失われつつあることへの共感の声が相次いだといいます。

「おじいちゃんたちをレッドカーペットの上で歩かせよう――」制作チームはそんな夢を語り合いながら、企画から約2年をかけて本作を完成させました。

映画は、奥川に暮らす人間だけでなく、そこに存在する様々な命、山のさまや先祖たちの想いなどが表現され、「人が本当に還りたいと願う場所はどこか?」を未来へと問いかけるものになりました。

そしてその映像表現が世界に認められ、釜山国際映画祭コンペティション部門への正式招待を受けることになったのです。全3回の上映は満席となり、海外の観客からも故郷への共感や映像体験に関しての賞賛・質問が数多く寄せられました。





東京から、地方上映を目指して
釜山では出演していただいた高齢の方々がレッドカーペットを歩くことは叶いませんでしたが、制作チームは12月の日本公開からその夢の実現に向かって進んでいきます。まずは、出演者の舞台挨拶の実現を目指しています。

映画館での日本初公開となるのは、シアター・イメージフォーラムです。そしてこの映画館での公開期間(約1か月)に、どれだけ多くのお客さんが見て評価を下さるかが、地方の映画館での上映につながるかどうかを左右するとされ、福島での上映に向けても大切な節目となります。

この映画は、むしろ地方の人たちにこそ視てほしい。私たちは、西会津・奥川から発されたメッセージを、同じような環境にある沢山の日本中の地方・田舎へ届けたいと思っています。そして、日本の発展の礎となった原風景とその固有の文化と価値を、「未来の民話」として世界中に届けたいと思っています。

前売(応援チケット)販売中
https://www.soumatou.jp/ticket






「音の地産地消」という挑戦

全編の音楽は、西会津町にあるアーティストインレジデンス:西会津国際芸術村の滞在アーティストで、幾度となく奥川を訪れている音楽家・永井朋生氏が担当。「西会津・奥川を感じるには、その土地にまつわる音を体感したほうがいいー。」永井氏は、西会津で採集した自然音や素材で楽器・楽曲をつくり、”音の地産地消”を実現しました。水・風や石の音、古材・古道具、農機具等で製作された楽器での演奏による音楽によって、映画のシーンの中に入り込んだような、没入感を増幅させています。









上映館情報


シアター・イメージフォーラム
〒150-0002東京都渋谷区渋谷2-10-2

|公開日|12月12日(土)~

|アクセス|
・渋谷から
渋谷駅より徒歩8分。東口駅前の宮益坂上がりきり、ガソリンスタンドの五差路を直進、一つ目の信号を右に入る。
※宮益坂、青山通りの左側の歩道を歩くと歩道橋を使わずに済みます。
バスをご利用の場合は東口駅前からC88系統新橋行きで一つ目、渋谷二丁目バス停下車、1分。循環ハチ公バスも渋谷二丁目バス停下車、1分

・表参道から
徒歩10分。青山通り渋谷方向、青山学院を過ぎ、二本目の通り左入る。

・シアター・イメージフォーラム公式サイト
https://www.imageforum.co.jp/theatre/







映画「走馬灯」
|監督|松井至
|プロデューサー| CHARLOTTE COOK
|支援| FIELD OF VISION
|プロタ゛クションマネーシ゛ャー| 山口 佳織
|音楽|永井朋夫
|構成|竹岡寛俊
|サウント゛ミキサー|高梨智史
|カラリスト|齋藤直彦
|コンセプト|JASON HANASIK
|製作|リトルネロフィルムズ
|宣伝・配給協力|ブライトホースフィルム
|デザイン|BOOT
|協力|奥川地域づくり協議会・TOKYODOCKS・山下宏洋
|カメラ提供|CANON
|レンス゛提供|SIGMA
|企画開発|佐藤恒平(つぎの民話)
|配給|走馬灯上映委員会
|撮影地| 福島県西会津町奥川地区
|映画祭| 第31回釜山国際映画祭 Wide Angle - Documentary Competition 正式招待(ワールドプレミア)
|劇場公開| 2026年12月12日~ シアター・イメージフォーラム(東京・渋谷)

取材に関するお問い合わせ

|配給| 走馬灯上映委員会 |担当| リトルネロフィルムズ 松井至
|公式サイト| https://www.soumatou.jp/ (サイト内 問い合わせフォーム)
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