農業水利施設の維持管理費に充てる新たな財源として、水田のメタン削減を地域の収入に
ネイチャーベースのカーボンクレジット創出・販売事業を展開するGreen Carbon株式会社(代表取締役:大北 潤、以下「Green Carbon」)は、あぶくま川水系角田地区土地改良区(宮城県角田市、以下「水土里ネットかくだ」)および宮城県土地改良事業団体連合会(以下「水土里ネットみやぎ」)と連携し、東北農政局 宮城県拠点の協力のもと、宮城県内における水田の「中干し期間の延長」によるJ-クレジット創出の取り組みを推進することをお知らせします。
まずは、水土里ネットかくだ管内の水田5,014haを対象とします。これは宮城県の水田面積10万1,700ha(令和6年)の約5%に相当します。2027年産からの本格実施を予定しており、初年度は約10,000t-CO2のクレジット創出、将来的には年間最大約25,000t-CO2の創出を目指します。

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◆本取り組みの背景
中干し延長は供給水量の削減も可能水田の「中干し期間の延長」は、水田の水を抜く中干しの期間を慣行より7日間以上延長することで、地球温暖化の原因となるメタンガスの排出を削減する取り組みです。J-クレジット制度では、方法論AG-005として定められています。一方で、中干し期間の延長を地域全体で実施するためには、農家ごとの取り組みだけでなく、農業用水の配水計画との調整が重要となります。※1※2
そこで本取り組みでは、配水計画を担う土地改良区が中干し延長を前提とした水管理を設計することで、管内水田での面的な実施を目指します。参画する生産者が増えることで、用水路への供給水量を削減でき、近年の物価高で高騰するポンプ稼働の電気代(維持管理費)を抑制する効果も見込まれます。これは、地域における持続可能かつ安定的な水管理インフラの維持・運営にもつながる取り組みです。
土地改良区の経営課題と接続する
土地改良区では、離農の進行による組合員数の減少に伴い、農業水利施設の維持管理を支える賦課金収入が縮小することが課題となっています。加えて、電力料金の高騰が揚水機場のポンプ運転経費を押し上げており、農業水利施設をどのように維持していくかは、各地の土地改良区が直面する課題です。
本取り組みでは、水土里ネットかくだがGreen Carbonのパートナーとしてクレジット創出を支援し、手数料収入を得る仕組みとしています。農地で生まれる環境価値を、その農地を支える水利施設の維持管理費に還流させることで、カーボンクレジットを地域の農業インフラ維持につなげることを目指します。
◆今回の取り組みの特徴

◆対象事業の概要

※宮城県の水田面積は10万1,700ha(令和6年7月15日現在)。東北農政局宮城県拠点「MAFF NAVIみやぎ Vol.06」(令和7年8月)を参照。※3
◆各者の役割
あぶくま川水系角田地区土地改良区(水土里ネットかくだ)水土里ネットかくだは、Green Carbonとのパートナー契約締結を進めており、管内農家への取り組みの案内・取りまとめ、中干し期間の延長に対応した配水スケジュールの調整、実施状況の確認・記録の取りまとめ等を担うことを想定しています。
宮城県土地改良事業団体連合会(水土里ネットみやぎ)
地域農業の持続的発展に向けた情報収集および、角田地区における取り組みの経過や成果についての共有・アドバイス。
東北農政局 宮城県拠点
「みどりの食料システム戦略」に掲げる目標達成に向け、東北農政局 宮城県拠点にもご助言・ご支援をいただきながら、官民連携のもとで一体となって強力に推進してまいります。
Green Carbon株式会社
Green Carbonは、プロジェクト全体の統括および技術的支援を行うとともに、J-クレジットの申請・登録・販売を担います。また、農家向けワンプラットフォームサービス「Agreen(アグリーン)」を提供し、中干し延長の実施に関する農家向け説明・研修を支援します。
◆今後の展開
Green Carbonは、まず角田地区における水田5,014haを対象として、2027年産からの本格的な取り組みを目指します。初年度は約10,000t-CO2のJ-クレジット創出を見込み、将来的には年間最大約25,000t-CO2の創出を目標としています。さらに、角田地区での取り組みをモデルケースとして知見を深め、得られた成果や課題解決のノウハウを広く発信することで、県内における水田中干し延長の普及と脱炭素化の推進に貢献してまいります。
水田のメタン排出削減による脱炭素だけでなく、農業水利施設の維持管理という地域農業が抱える課題にもつながる仕組みとして、本取り組みを発展させてまいります。
※1 中干し期間の延長:水田の水を抜く「中干し」の期間を、直近2か年以上の実施日数の平均より7日間以上延長することで、メタンガスの排出削減を目指す取り組み。J-クレジット制度の方法論AG-005に定められています。
※2 J-クレジット制度:CO2などの温室効果ガスを削減・吸収した量を、国が「クレジット」として認証する制度です。
※3 宮城県の水田面積:10万1,700ha(令和6年7月15日現在)。出典:東北農政局宮城県拠点「MAFF NAVIみやぎ Vol.06」(令和7年8月)。
※4 初年度創出見込:約10,000t-CO2。将来目標:年間最大約25,000t-CO2。
◆Green Carbon 株式会社
代表者 :代表取締役 大北 潤
所在地 :東京都千代田区麹町2-3-2 半蔵門PREX North 9F
設立 :2019年12月 12日
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
URL : https://green-carbon.co.jp/
◆Green Carbon事業紹介
Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンに掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジットの創出・登録・販売までを一気通貫で支援するクライメートテック企業です。加えて、植物・微生物の研究開発事業、ESG/排出枠コンサルティング事業、各種環境関連事業も展開しています。
事業は日本および東南アジアを中心に10カ国以上で展開しており、水田(中干し・AWD)、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、家畜排せつ物処理、畜産由来メタン削減など、多様な自然由来プロジェクトを推進しています。国内の水田(中干し)においては、2023年度に日本初・最大規模となる約6,220tのクレジットを創出。2024年度は約40,000ha(約65,000t)、2025年度は約65,000ha(約65,000t)、2026年度には約90,000ha(約95,000t)まで拡大を予定しています。また、酪農分野では日本初となるJ-クレジットのプログラム型登録を実施し、2026年度に6,749tを創出。
海外においては、東南アジアを中心に大規模なプロジェクト組成とクレジット創出を推進しており、フィリピンではJCM(二国間クレジット制度)を活用した投資プロジェクトが完売。さらに、ベトナムやカンボジアにおいても、JCM方法論の承認に向けて州・自治体・政府と連携を進めています。また、クレジットの申請・登録・販売までをワンストップで完結するプラットフォーム「Agreen(アグリーン)」を提供し、煩雑な手続きや書類作成を効率化。創出者の負担軽減とスケーラブルな事業推進を実現しています。加えて、環境価値付き農産物(環境配慮米)の流通、研究開発、ESG・排出枠コンサルティングも手がけ、自然資本を軸とした脱炭素の実現に貢献しています。
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