多くの人々に愛されている『リトル・マーメイド』
ディズニー作品には数多くのプリンセス・ストーリーがあります。
実は映画『リトル・マーメイド』は、ディズニーが『眠れる森の美女』以来、30年ぶりに制作した新しいプリンセス・ストーリーなのです。
1989年に公開された新しい人魚姫の物語は、当時ディズニー史上最大の成功を収めます。
その後、ディズニーは『美女と野獣』『アラジン』『ライオン・キング』といった、今でも名作として語り継がれている、数多くの作品を世に送り出して「ディズニー・ルネッサンス」と呼ばれる黄金期を迎えるのです。
主人公アリエルは、水中の世界が自分のいるべき場所ではないと考え、人間の世界に想いを募らせます。
一方で、船乗りに憧れを感じているエリック王子もまた、王子としての自分に違和感を覚えています。
そんな違う世界に生きる2人が、出会い結ばれるのが『リトル・マーメイド』のストーリーなのです。
逆境にめげず、自分の信念を貫くアリエルの姿を見ていると、こちらまで勇気をもらえます。
アリエル・トリトン王・アースラの人間関係にも注目
ミュージカル版では、アリエルとエリック王子のラブストーリーだけではなく、アリエルの父トリトン王と、本作の悪役であるアースラとの関係にも注目です。
ミュージカル版では、海の魔女アースラは、トリトン王の姉という設定になっています。
実は映画版では直接、こういった設定への言及はありません。
映画の制作当時、すでにこの設定はあったのですが、最終的には盛り込まれなかったことが、のちに制作秘話として明かされています。
ミュージカル版では、アースラとトリトン王、そしてアリエルがお互いに血縁で結ばれている、ということも物語に深みを与えています。
アリエルを愛しているトリトン王、それを利用しようとして画策するアースラ。
アースラがどうしてトリトン王を憎んでいるのかも、劇中では明らかにされます。
そして、なんと言っても忘れてはいけないのが、トリトン王とその娘アリエルとの関係ですね。
トリトン王は行方不明になった妻が「人間に殺された」と思っており、人間に興味を示すアリエルを心配します。
そんな思いを理解できないアリエルと対立してしまうのが、なんとも辛いですね。
お父さん世代の方がこの作品を見ると、胸に迫るものがあると思います。
©Disney