壮大なスケールで歌う、等身大のラブソング
ももいろクローバーZのニューシングル『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』は、何とも仰々しい曲だ。もちろん、これはほめ言葉として言っているつもりだが、語弊があるなら、壮大な曲と言い換えても良い。
まずは、そのタイトル。
宇宙を舞台にしたアニメのオープニングテーマに見合った、スケールの大きさを醸し出さんとするばかりの文字列。ももクロナンバー史上最長の文字数にして、なおかつそのほとんどが漢字。ついでに言えば、字画も多い。
クラシックの楽曲のタイトルを模したことは一目瞭然だが、なぜ唐突に「第七楽章」なのかと言えば、メジャーデビュー7thシングルであることを意味しているのだろう。4thシングル『Z伝説〜終わりなき革命〜』のイントロのナレーションで、何の脈略もなしに「第4話」と告げられていたことを考えれば、おそらく間違いない。
余談だが、もしや前作の『労働讃歌』の頭文字の「ろ」も、6thシングルの6を意味していたのだろうか。と言うのも、ディスコグラフィーを振り返れば、1stの『行くぜっ!怪盗少女』は「い=1」、3rdの『ミライボウル』は「み=3」なのだ。2ndの『ピンキージョーンズ』や、5thの『D'の純情』のタイトルは説明付かないのだけど。
閑話休題。
とにかく、これまで以上に壮大なイメージのタイトルが付けられたこの曲。当然ながら、歌詞にもその世界観は踏襲される。
出だしの歌詞からして「宇宙の果ての果てでも」である。「果て」ではなく「果ての果て」。一体どこまで行ってしまったのか、というレベルのスケール感で幕を明ける。
その後も「幾多の流れ星」「何億光年」「星屑のクズ」「銀河系の遥か彼方」「赤く光るアンタレス」「黄色く光るケンタウロス」と、これでもかと言わんばかりの宇宙関連キーワードの連打。
同じ前山田健一作詞ナンバーにもかかわらず、夏休みの宿題が終わらないヤケクソを歌った『ワニとシャンプー』や、都道府県の名物を並べた『ももクロのニッポン万歳!』とは、全く違った仰々しさなのである。
そして、何と言っても極めつけはアレンジだ。
東響コーラスの合唱団がコーラスとして参加。それに加えて、マーティ・フリードマンのギターである。さしづめ、ロックオペラといった感のコラボだ。
昨年12月25日のさいたまスーパーアリーナ公演で、この曲が初披露された際には、両者が生で参加。大会場ならではの演出も相まって、壮大な曲の魅力が一段と引き立てられた。
先だっての「ももクロ試練の七番勝負episode.2」の小規模会場で7夜連続にわたって聴いても、CDで聴いても、あの初披露の衝撃の光景が脳裏に浮かび上がってくる。