アインシュタイン いなだなおき (よしもとクリエイティブエージェンシー)
‘84年生まれ、大阪府出身。お笑い養成所を卒業した後、現在とは違うコンビを結成するも解散。半年ほどピン芸人となった時期を経て、’10年に河合ゆずるとアインシュタインを結成。オールザッツ漫才2011における若手芸人トーナメントで、見事優勝を果たした。現在は大阪の劇場を中心に活動している。
■過去3年の戦績:2009年…出場せず
2010年…出場せず
2011年…2回戦
とにもかくにも、見た目のインパクトが尋常ではない。100人が100人、驚いてしまうだろう。しかし彼は今、ノッているのである。一般からの投票で選ばれる「吉本ブサイクランキング」でも2012年度は3位へと一気にジャンプアップ。みんながどうやら彼に気付き出しており、本人もそのことを“追い風”として、帆ならぬ顔いっぱいに受け止め、大海原を疾走しようとしているのだ。その知られざる生態、大いに観察すべし。
――あらためて、決勝進出が決まったときの心境は?
いなだ:いやあ、とにかく驚きました。たぶん、今までで一番驚きいたんちゃうかなと。
――でも行けるという手ごたえは、まったくなかったんですか?
いなだ:なにしろ、R-1に出させていただいたのも今回で2回目ですからね。昨年が2回戦で敗退というのもあって、今年は準決勝に行けるとも思ってなかったんですよ。ただまあ、準決勝が終わった段階で、決勝なんて行けるわけないと思いつつ、どこかで期待はしてました。お恥ずかしい話ですけどね(笑)。でもこれ、なかなかの快挙ですよ。
――と自ら言ってしまうくらいに(笑)。
いなだ:だって周りもほんまに驚いてましたからね。同じく出場して決勝には行けなかった相方(河合ゆずる)もすごく驚いて、その後でちょっと悔しがってましたけどね。でも、今はちゃんと応援してくれてるんで心強いです。
――ネタはどんな風に作っていったんですか?
いなだ:実は僕、半年ほどピンでやってた時期があるんですけど、そのときにやっていたネタと、急にふわっと降りてきたネタを組み合わせて作った感じです。そんなことも含めて今、僕めっちゃノッてますからね。今までで一番華やかな舞台へ、ノリノリで行ってやろうと思ってます。
――ちなみにこれまでで、いなださんが華やかだった時期というのは?
いなだ:ええ、ほとんどありません(笑)。僕、人見知りというのもあって、あまり友達とかいないタイプだったんですよ。ただ! 高校3年のときに急に友達ができ出して、あの頃はえらい華やかでしたねえ。
――それと比べると、やはりR-1の華やかさはたいへんなものですよね。
いなだ:そうなんです。だから、やってやりますよ!
――ちなみに、決勝進出者の発表会見では、宮迫さんから「今まで出会った中で一番しゃくれてるわ(笑)」と言われてましたが。
いなだ:ええ。「しゃくれ」って表現していいかわからないくらい、しゃくれてます(笑)。だから今回ぜひ優勝して、これまでは世間からは「ブサイク」だのなんだの、マイナスの見方しかされないんで、だいぶマイナスな場所からちょっとマイナスな地点へ上り詰めてやろうと。
――あ、優勝してもマイナスはマイナスなんですね(笑)。
いなだ:マイナスはマイナスです。でも僕のこと以上に、未来のブサイクキッズのためにも頑張りたいなと思うんです。希望の星にならんといかんなと。
――ということは、ライバルはもちろん。
いなだ:吉本が誇る男前、徳井さんです!
――そして優勝した際の、500万円の使い道はもう決めてるんでしょうか?
いなだ:できるかぎり顔をキレイにしようかなと思ってます。
――希望の星なのに、あっさり前言撤回ですか(笑)。
いなだ:いや、ちょっと現段階のままだと漫才にも支障をきたしてるんですよね。なにしろ、舞台に登場して、そこからネタに入っていくじゃないですか。それでも、ずっと客席がざわついてるんですよ(笑)。だから一回潜伏して、新たな顔でみなさまの前に登場しようかと思っております。