よしもと芸人「バンビーノ」と「相席スタート」がドラマ『火花』についてぶっちゃけトーク 撮影:小林裕和

お笑い芸人ピースの又吉直樹さんが芥川賞を受賞したベストセラー小説『火花』をオンラインストリーミングサービス・Netflixでドラマ化、全10話が配信中。この夏休みに一気に観た人もいるのではないでしょうか?

というわけで、多少ネタバレを含みつつ、ドラマを観て感じたことを“芸人目線で”語ってもらいました。ネタバレありだからこそ、繰り広げられる芸人目線の細かい指摘! まだ観ていない人は、シルバーウィークでイッキ観して!

ドラマ『火花』メインビジュアル


本作は師弟関係を結んだ売れないお笑い芸人2人の10年間を追った青春物語(フィクションです)。主人公、お笑いコンビ“スパークス”の徳永を林遣都さん、徳永が憧れる先輩芸人、“あほんだら”の神谷を波岡一喜さんが熱演。さらに徳永の相方・山下を芸人、井下好井の好井まさおさんが演じるなど、芸人さんも多数出演しています。

写真左からバンビーノ(藤田祐樹さん、石山大輔さん)、相席スタート(山崎ケイさん、山添寛さん) 撮影:小林裕和

芸人の又吉さんが描く、リアルな芸人の世界が話題の本作。実際に芸人あるあるはどのくらい描かれているのか!? よしもとのお笑いコンビ、バンビーノ(石山大輔さん、藤田裕樹さん)と相席スタート(山添寛さん、山﨑ケイさん)の2組がドラマ『火花』について白熱トーク!

さらに、『キングオブコント2014』の「ダンソン」ネタで突如注目を集めたバンビーノが本音を語りまくり。芸人あるあるから芸人としての葛藤まで、ぶっちゃけてくれました!

ちなみに山﨑さんは神谷の2番目の彼女・ミキとしてドラマに出演しています。

やっぱりリアル!「インコ飼え」もあるある!?

――みなさん観ていて「あるある」と思う部分はありましたか?

山添:
めっちゃありましたよ!

藤田:テレビ用にネタを一般受けするように合わせてとか。

石山:それめっちゃあるね。でも一般の人に「寄せんなや!」とかの言い回しが伝わるのかね。「俺はこのボケやりたいねん」、「いやお前、客にネタ寄せんなや」っていう会話が伝わるのかどうか、それぐらい芸人の世界の描写が細かい。

山﨑:1話の熱海の花火大会のイベントシーンで漫才をやるときにスタンドマイク1本で喋ってるんですけど、私たち普段漫才やるときってサンパチマイクっていって、どこから喋っても音を拾うマイクを使ってるんです。でも営業とかだとスタンドマイク2本とかのときがあるんです。要するに、ちょっと離れる動きがある漫才だと声を拾わない。

それがあの場面はマイク1本だったので、2人がすごいマイクに口を近づけて喋るんですよ。あれって普通の人は何の描写かわかるのかな?って思って見てたんですけど、私たちだと「わかる~」って思う部分ですね。

藤田:あと、僕ら出る時ちょうど花火始まっちゃいますよねって、その扱い(笑)。

撮影:小林裕和


山添:それから、1本のネタに掛ける時間を忠実に描いている。こんなに1本のネタに時間かけてるんだって裏側をきちんと見せてますね。あと、作家さんが「インコ飼え」って言うあるあるはめっちゃある。そんなこと言うんやって思う人いると思うんですけど、それくらい訳のわからんこと言う作家さんいるんですよ。

――今まで何か言われた印象的なものってありますか?

山﨑:前のコンビの時に、韓国旅行に行くネタでキムチとか食べ物の話を使っていたら、「いや、キムチじゃなくてそこはカムジャタンの方がうまいだろう」って言われて。その場は「カムジャタン、ちょっと食べたことないんですけど、なるほど」って応えて、終わってからすぐ裏で文句言ってました、「カムジャタンって(ダメ出し)何!?」って(笑)。

石山:僕らはすぐ(作家さんらと)ケンカしてしまうんでダメですね。

山﨑:あ~、神谷さんタイプですね。


藤田:ネタ見せのシーンの神谷さんみたいに「寝てるやないか!」とまでハッキリ言わないですけど……、言っている人を見たら気持ちいいですよね。

石山:まず見ろやっていうね。

山﨑:見てない人いるよね。

石山:あとラジオのシーンの「急遽30秒で」もすごいあるある。あと吉祥寺に住みたがる(笑)。吉祥寺ってめっちゃいい街ですもんね。

山添:でも中野とか高円寺に比べるとちょっと高いんですよ。

山﨑:芸人は中野、高円寺ぐらいのほうが多いかもしれないですね。あと芸人辞めた人、不動産屋になりがちっていうのもありますよね。

一同:これはすごいあるあるです。