東京03 DVD『時間に解決させないで』の模様

日常に潜むほんの少しの違和感、普通のベクトルから1~2度ずれた“微妙に変なヤツ”を描かせたら、東京03の右に出る者はいない。毎年必ず公演している単独ライブのチケットはプラチナ化し、リピーターも多い。

2015年末から2016年頭にかけて開催され、好評を博した単独ライブ『時間に解決させないで』が、DVDとなって発売される。さらに7月7日からは新たな公演『明日の風に吹かれないで』がスタート。まさに“単独ライブ三昧”だ。

角ちゃんは友人を、僕らの前でだけ下の名前で呼ぶんです

――東京03の公演と言えば、印象的なタイトルも特徴のひとつです。DVD化される『時間に解決させないで』には、どんな意図が込められているのでしょう?

飯塚「僕らの単独って、毎回3部作なんですよ。今回はその2本目なので、前回の公演『あるがままの君でいないで』につながるタイトルを考えました。前作は元ネタが“あるがままの君でいて”だったので、同様に励ましで使う言葉を考えて、“時間が解決してくれるよ”を思いついて。

結構ね、前回のタイトルに振りまわされたというか(笑)。毎回、何も考えずに1発目をつけちゃうので、2回目から困るんです」

――みなさんの中で、お気に入りのコントをお伺いしたいのですが。

飯塚「オープニングコントの『同期会』が、わかりやすくて好きです。“最近の若いヤツは、怒られると『違うんですよ』と言う”という話から、自分達は言うなよと思っているのに、つい言っちゃう(笑)。シンプルですけど、好きですね」

――このネタを作ったのは、飯塚さんですか?

飯塚「そうです。“怒られて『違うんですよ』と否定する人が多い”という話はよく聞くし、僕も後輩に注意したことがあって。ただ、後輩に注意したその飲み会で、“自分も今から『違うんですよ』は言えないな”というプレッシャーに襲われたんですよね。そこから角ちゃん(角田)が言っちゃったら面白いだろうな、それなら全員言ったらどうかな、となりました」

東京03 DVD『時間に解決させないで』の模様

――豊本さんの、お気に入りのネタは?

豊本「『防犯』というネタで角ちゃんにカラーボールをぶつけるシーンがあるのですが、あれがキレイに決まった時の気持ちよさたるや! 放物線を描いて、中に入っている染料が飛び散って……」

東京03 DVD『時間に解決させないで』の模様

――コンビニに黒ずくめの人が入ってきて、強盗をする前から店員さんが「強盗だ!」とカラーボールをぶつけるネタですね。あのボール、キレイに決まらないこともあったんですか?

豊本「ありましたね。お客さんに角ちゃんの無様な顔を見せたいので、ぶつけた後でちょっと顔についた染料を修正したりも(笑)」

角田「当たりどころが悪いと、豊本っちゃんがガッと修正しに来るんですけど、これが意外と痛い!」

豊本「たまに額が赤くなったりしてたよね(笑)」

――このネタを作ったのは?

角田「僕です。コンビニに強盗っぽい格好の人が入ってきたら、強盗をする前にカラーボールを投げたくなっちゃうよな、でも投げちゃいけないんだよな、という発想から始まりました」

――そして、角田さんのお気に入りのネタは?

角田「『20年来の友人』ですね。ずっと苗字で呼んできた友人を、同級生が下の名前で呼んでいることから、しれっと便乗して自分も下の名前で呼ぶ、という。“悟志!”と下の名前で呼ぶ瞬間が、すごく好きです」

東京03 DVD『時間に解決させないで』の模様

――このネタは、誰が作ったんですか?

飯塚「僕ですね。“気安い感じで下の名前を呼んでくる人、イヤだな”という思いつきから角ちゃんに相談したら、彼が“下の名前で友人を呼ぶことに、憧れがある”と言いだしたんです。

よくよく聞いたら、角ちゃんが大学時代の友人を僕らには“ひろし”と言うんですけど、本人には苗字で呼んでいるんですよ。その話を聞いた時の衝撃がすごくて(笑)。実は“ひろし”と呼びたいんだけど、もう本人には言えないから、代わりに僕らに向かって言うんですって」

――どこで夢を叶えてるんですか!

角田「叶えてもらっているんですよ、本人のいない場所でね(笑)」