石山「ずーっとアウトボクシングなんですよ、バンビーノは」撮影:小林裕和


石山:それを藤崎さんが先に言ってくれたから、ずーっとアウトボクシングなんですよ、バンビーノは。もうずーっと後ろに構えてる状態。かわしてかわして、「ここはダンソン以外でやってやる」ってバーンって打つようなスタイルなんです。

山添:石山さん、次の主演狙ってます?(笑)

山﨑:俳優さんのインタビューみたい(笑)。

石山:だからよかったですよ、藤崎さんがいて。テレビは難しいです。

撮影:小林裕和


山添:バンビーノさんは絶対葛藤ありますよね。僕らですら想像できますもん、それは。

石山:やっぱりあったよ、去年1年。

藤田:だけど、この前の収録で、一応いつも現場には動物(ダンソンの衣装)とか持って行くんで「持って行きますね」って言ったら、「いいよ、動物なんて」って初めて言ってもらえたんです。

石山:「イメージ固まっちゃうよ、だって動物無しで呼ばれてるんだから。このまま行け」って。今年東京に来てからヒョウ柄の衣装着てテレビ出てない。全部ヒョウ柄以外のバンビーノでテレビ出てるから、本数は減ってくるけど、これでいかなしゃーない。

藤田:ちょっとずつ挑戦をまた始めてる。

石山:オリラジさんも「見た目で覚えられるやつほど1年でやめる」って言うてた。

山﨑:私たちは同じ事務所に売れたり逆に失敗したりって先輩がいるから、こうやって言ってもらえることがあるけど、『火花』のスパークスの事務所は先輩に俳優さんしかいなくて、神谷さんが魅力的に見えて飛びついた。

でも、人としては魅力的に感じるんだろうけど、売れるということに関してはたぶん神谷さんはセンスがなくて、その人に心酔してしまっているから、どうしたら良いのか(売れるのか)ってことは教えてもらえなかったのかなってところはありますよね。

藤田:徳永が「なにやってんねん」って神谷さんに向かって言ってましたしね。

石山:そこが僕はいいところだと思ったんですけどね。

芸人から見ても本当にリアル 林遣都が上手すぎる!

撮影:小林裕和

藤田:ほんまにすごいリアルな世界を描いてるなって思いましたね。こんなんあるあるっていう。やっぱり又吉さんの原作じゃないとあのリアルさは描けなかったんじゃないかと思います。

山﨑:真面目な感想としては、2時間の映画にしていたら、ナレーションとかでだいぶ進めなきゃいけない部分があったと思うんですよ。だけど10話にして、ストーリーもちょっと足していて。

普通のテレビドラマにしたらまたベタな展開を入れなきゃいけなかったと思うんですけど、そういうのもナシで。無言のシーンとかに時間をたっぷり使ってるじゃないですか。これがNetflixでの配信という形にすごく合ってる。Netflixだったからこういうことが出来たのかなって。

だってこのシーンでこんなに、林君の無言の顔のアップで尺使う?っていうくらい。また林君がいいんですよね~!

――無言のシーンは本当に良かったですよね。鍋のシーンとか。

山﨑:鍋のシーンもいいし、大阪に戻る山下を見送る場面も好きです。最後、タクシー見送る時の林君の顔が何の表情かわからないの! 喜んでるのか悲しんでるのかわからないんだけど、たぶん映画とかだったらナレーション入れちゃいそうなのよ。「僕はこの時こう思った」とか。でも、ナレーションが入らず、その顔の表情が、その人がするんだろうな、って顔なのよ!

山添:色々考えたいからって言って、チャリンコ漕いで帰るだけのシーンとかもめっちゃ良かったりしますね。飲んで歩いて帰るとか。

山﨑:どこまでもチャリで移動するって若手芸人でたまにいるんですよ。


藤田:林君は一番初めの漫才からだんだん上手になっていくじゃないですか。「できていくんかい!」って思いましたね。

一同:林君、めっちゃ上手い!

藤田:できんといてくれって思いましたよ。

山添:好井さんとのハマり方がすごかったですよね。ここたぶんアドリブでやってるとこ残してるんちゃうかなってくらいの自然さだった。

山﨑:好井さんなんて、私たち神保町花月でお芝居の舞台一緒にやってたんですよ。なんも演技上手くなかったですよ! 下手くそだってけっこう言われてたもんね。

山添:もう酷かったですよ、見れたもんじゃなかったです。でもあの役(山下)は本当に好井さんやから。むっちゃ役に入ってましたよね。

藤田:最後の漫才のところなんてな。

山﨑:めっちゃ良かったよね。

石山:芸人を題材にするって、けっこうご法度というか。芸人が芸人を題材として、「芸人カッコいいっしょ」みたいなのは、通例芸人の中ではサムいというか、「だすなよ、そこ」っていうとこやけど、ほんまにちゃんと失敗したところを描いてくれるから、リアリティーはむっちゃある。

見てると「そうやねん。失敗してまうねん、そういう考えやったら」って思うから、めっちゃ入り込んでます、僕なんか。一般の人からしたらそこまでは重くは見てないと思うんですよね。だからめっちゃ楽しくみられるんちゃうかなと思います。

僕ら芸人はやっぱり、ちゃんとは見れないと思うんですよ。東野さんがTwitterで、「見たやつはやめてまう、ほんまに頑張ってるやつはあんま見ないほうがいい」って言ったくらい、「あ、俺が昨日言ったこと言うてもうてる……」とかが絶対出てくると思うんですよね。だから怖さもあるなって感じです。

――ありがとうございました!

芸人さんでなくても苦しく感じる場面も多いドラマ『火花』ですが、芸人あるあるを聞いてからでは、更に細かいポイントに注目して見ることができるのではないでしょうか。観ていない人はもちろん、観た人も再度チェックしてみては?

 

バンビーノ、相席スタートともにヨシモト∞ホールを中心に活躍中!

Netflixオリジナルドラマ『火花』
世界190カ国で全10話一挙配信中

原作:又吉直樹著「火花」(文藝春秋 刊)
総監督:廣木隆一
監督:白石和彌/沖田修一/久万真路/毛利安孝
キャスト:林遣都、波岡一喜
門脇麦/好井まさお(井下好井)、村田秀亮(とろサーモン)、菜 葉 菜、山本彩(NMB48AKB48
徳永えり、渡辺大知(黒猫チェルシー)、高橋メアリージュン、渡辺哲
忍成修吾、徳井優、温水洋一、嶋田久作
大久保たもつ(ザ☆忍者)、橋本稜 俵山峻(スクールゾーン)、西村真二 きょん(ラフレクラン)
染谷将太、田口トモロヲ、小林薫