主人公・坂崎磐音を演じた松坂桃李

 映画『居眠り磐音』のプレミアイベントが4日、東京都内で行われ、出演者の松坂桃李、木村文乃、芳根京子、柄本佑、杉野遥亮、西村まさ彦、中村梅雀、柄本明と本木克英監督が登壇した。

 佐伯泰英氏の名作「居眠り磐音」を原作とする時代劇エンターテインメントである本作。麻薬取締法違反容疑で逮捕されたピエール瀧の代役に奥田瑛二を立て、撮り直しを決めた経緯がある。公開は予定通り5月17日だが、この日は当初予定された“完成披露”ではなく、約10分間の特別映像のみの上映となった。

 主人公・坂崎磐音を演じた松坂は、大勢の観客を前に「本編をお届けできない中でもこんなにたくさん集まっていただきありがとうございます。皆さんの応援と支えにより無事公開します」と感謝の思いを伝えた。

 本木監督も「思わぬことで皆さんにご心配お掛けしましたが、なんとかギリギリで仕上げさらにアップグレードして皆さんにお届けできるよう頑張ります」と奮起。代役の奥田に感謝とともに、「何人もの俳優さんが『自分でよければやるよ』と言ってくださったことに、この場を借りて感謝します」と話し、頭を下げた。

 終盤には、原作者の佐伯氏も登壇。主演の松坂を「新鮮な演技で挑戦してくれた」とたたえる一方、「1人の反社会的な行動によって制作が頓挫しかけた」などと瀧の行動を非難。それでも「皆さんがこの難関を乗り越え、完成へと再び力を振り絞る姿を見て、私は必ずいい作品に仕上がると確信しました。勇気ある差し替え、再撮影の決断を私は全面的に支持します」と力強く宣言した。