『Room』 Courtesy of TIFF

第40回トロント映画祭が、現地時間20日に閉幕した。観客賞に輝いたのは、レニー・アブラハムソン監督の『Room』。ある男に長い間監禁されていた女性とその息子が脱出し、普通の生活に戻っていく姿を描くドラマだ。

トロント映画祭/その他の写真

トロント映画祭で観客賞を受賞し、後にオスカー作品賞につながった例には『アメリカン・ビューティー』『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『それでも夜は明ける』などがあり、『Room』もこの受賞でオスカー戦線に向けて大きくはずみをつけたのは間違いない。主演のブリー・ラーソンの演技も絶賛されており、ラーソンも主演女優部門で健闘しそうだ。

次点は、トム・マッカーシー監督の『Spotlight』。ミッドナイト・マッドネスの観客賞にはイリヤ・ネイシュラー監督の『Hardcore』、ドキュメンタリー部門の観客賞にはイヴジェニー・アフィニフスキー監督の『Winter on Fire: Ukraine’s Fight for Freedom』が選ばれた。

トロント映画祭は年々重要度を増しており、今年は業界関係者の参加が前年より9%伸びて、過去最高となった。バイヤーたちも積極的で、映画祭期間中に、36作品の海外配給権が売れている。

取材・文:猿渡由紀