TV番組でも取り上げられる機会が増えてきた演劇作品。一度は観劇をしてみたいと思いつつも、劇場という場所を壁に感じて二の足を踏んでしまう人も少なくないのでは。ならばTVや映画でよく見知った有名人をきっかけにして、初観劇に一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。ゴールデンウイークから秋口までの注目作品をミュージカル編、ストレートプレー編に分けて紹介する。まずはミュージカル編から。
現在、上演中のミュージカル「レ・ミゼラブル」(5月28日まで都内・帝国劇場)。その目玉の一つが新キャストの顔触れだ。とりわけ「斎藤さんだぞ?」のネタでおなじみ、お笑いコンビ・トレンディエンジェルの斎藤司が世界的な大作ミュージカルに出演、と報じられたときは、演劇、お笑いのファンを問わず、大騒ぎになったことは記憶に新しい。斎藤が演じるのはごうつく張りの宿屋の主人テナルディエ。チケット入手が激戦必至の舞台だが、チャンスがあれば一度は見てほしい名作だ。
城田優主演のミュージカル「ピピン」(6月10日~30日、都内・東急シアターオーブ ※地方公演あり)は日本語版初上演。人生を変える情熱に駆られた若き王子ピピンが「特別な何か」を探し求める旅に出る物語。ピピンを城田が演じ、ピピンが誘い込まれるアクロバットサーカス一座の美しくカリスマ的な魅力を持つ“リーディングプレーヤー”役にミュージカル初挑戦のクリスタル・ケイが挑む。
日本での上演が39年目に突入したブロードウェーミュージカル「ピーターパン」(7月21日~28日、彩の国さいたま芸術劇場 大ホールほか)も忘れてはならない。永遠の少年ピーターパンがウェンディたちと共に描く夢と冒険の物語に、EXILEの歌手兼パフォーマーのNESMITHが、ピーターパンと対峙するフック船長役で出演する。過去に、古田新太、ROLLY、武田真治、ISSAなど、個性豊かな人物が演じてきた役にNESMITHが挑む。子どもだけでなく大人も楽しめ、時には胸を熱くしてしまうこともある作品だ。
この他、小池徹平、三浦春馬が歌とダンスで魅了するブロードウェーミュージカル「キンキーブーツ」(5月12日まで東急シアターオーブ ※大阪公演あり)など、魅力的な作品が盛りだくさんだ。(小村咲希)