石田ゆり子が「奇跡のアラフィフ」と呼ばれて久しいが、美しい50代として忘れてならない女優が他にもいる。原田知世だ。
原田は1982年に「角川映画大型新人女優募集本選オーディション」で特別賞を受賞し、芸能界入り。翌年、15歳で出演した映画『時をかける少女』で一躍スターの仲間入りを果たし、後の『私をスキーに連れてって』(87)ではウインタースポーツブームをけん引した。
女優だけではなく、歌手としてもマイペースに活動を継続。昨年のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」では律(佐藤健)の母親・和子役で見せた、チャーミングな演技が話題となり、映画『あいあい傘』では立川談春と夫婦役を好演した。
また味の素AGF社のコーヒーブランド「ブレンディ」では、95年からCMキャラクターを長年にわたって務め、世間では「ブレンディ」といったら「原田知世」というイメージが定着している。
そんな原田の魅力は、「清潔感あふれる美しさ」「永遠の少女性」などと言われる。NHKドラマ「運命に、似た恋」(16)で原田と共演した斎藤工は、当時の会見で、原田のことを「陽だまりのような、天使のような方」と評した。ドラマでは、10歳以上の“年の差恋愛”が描かれたが、原田の「透明感」の前では、年齢差も無意味だった。
そんな原田の美の秘訣(ひけつ)とは…? 16年に実施されたイベントで、原田は「仕事ですごく集中するので、できるだけオンとオフの切り替えを大切にしています。本当にリラックスするために、おいしいものを友だちと食べに行ったり、いろんなお話をして笑ったり…そういう時間を大切にすることで、また次のステップに進めると思います」と語っている。
内面からあふれる美のキーワードは「リラックス」のようだ。さらに、リラックスの一端を担っているであろう、「銭湯好き」の一面も番組の中で明らかとなった。
原田は、4月7日に放送された日本テレビの番組「DASHでイッテQ!行列のできるしゃべくり日テレ系人気番組NO.1決定戦」の「しゃべくり007」に出演した際、「お風呂が好きでよく銭湯に行っています」と告白。そんな原田の庶民的な一面に共感を覚えた人は多く、ネット上には「原田さんの行く銭湯、うちも行きたい!」との声が上がった。
また、現在放映中のドラマ「あなたの番です」(日本テレビ)で、原田と新婚夫婦を演じている田中圭も、「銭湯男子」として有名。現在ムック本『銭湯と和菓子と田中圭(仮)』が好評発売中だ。
4月23日には、ドラマ「あなたの番です」の公式インスタグラムが、「田中さんのムック本 原田さんお気に入りです」というコメントとともに“ツーショット”を投稿。ムック本を熟読する原田と、隣で恥ずかしそうな表情を浮かべる田中の姿が「キュート」と注目を集めた。2人で銭湯話に花を咲かせているのかもしれない。
もちろん、以前から銭湯好きの芸能人はいただろう。しかし最近、会見などで「銭湯好き」、または「サウナ好き」をさり気なく公言する芸能人が増えてきた印象がある。それが「美と健康」に直結しているかは定かではないが、銭湯で得られる「幸福感」は何物にも変えがたいようだ。
女優の中条あやみは今年1月、「ハーゲンダッツ」の新CM発表会に登場した際、「銭湯が本当に好き。実家(大阪)の近くに行きつけがあるし、東京でもいい銭湯を探しています。猛スピードでバーッと入って、パッと出ます」と明かした。
雑誌『Hanako』(17年12月号)では「特にサウナが大好きで、お湯→サウナ→水風呂、の至福ループが止められない。なんか、オッサンみたいですね(笑)」とも語っている。
「銭湯、サウナ好き」は男優にも多い。溝端淳平は、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のPRイベント(18年3月)で、自身の「最強アイテム」について尋ねられた際、「疲れてきたときは銭湯に行きます。サウナと水風呂で温冷浴ができたら僕は何度でもよみがえる。無休で働けると思います」と力説した。
溝端の親友、岡田将生もサウナ好きの一人。17年7月の「おしゃれイズム」にゲストで呼ばれた際、ストレス発散法として「趣味はサウナ。休みの日には、健康ランドやスパなどに1人で行きます」と紹介。「ロッカーで高校生や大学生の人たちが『ダルビッシュがいた』と騒いでいて、その後『岡田だ…』と気付かれました」と、面白トークを展開した。
現在、舞台「ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~」に出演中の川平慈英も舞台の囲み取材(4月26日)で、「最近感じたハッピー」について聞かれると、「僕は『サウナー』なので、サウナに入った後の水風呂では相当ハッピーになれます」と熱く語った。
「美と健康」を手に入れる、手軽な手段として銭湯が芸能界に浸透しているようだが、一般的にも、銭湯ブームが起きつつある。昔から通っていた中高年に加え、若い人たちの姿が増えているという。筆者も「サウナ好き」の一人。「サウナ好き」を公言する芸能人を見ると、ついつい親近感が湧いてしまう。(山中京子)