彼らはもちろんブルーボトルコーヒーを愛しているのですが、それと同時に「丁寧な暮らし」も大切にしています。“丁寧”は、サードウェーブの基本にもなっていますよね。
ただ、そこまで丁寧な暮らしにこだわっているのかと言うと、そうでもないのです(全ての人とは限りません)。ナチュラルでオーガニックな生活が好きなのですが、都会から田舎に生活の場所を移すことはありません。
むしろ、都会でナチュラル的で職人気質なお店に行っては物を購入し、インスタグラムなどSNSに投稿する。身につけている服や靴はこだわりがつよく、価格も安いものばかりではありません。
サードウェーブ系男子は、わりと情報を追いかけていて、消費に対しても積極的だったりするのです。つまり、「丁寧な暮らしをしている自分」が好きなんですね(もちろん、全ての人とは限りません)。
「丁寧な暮らし」を大切にしてそうですが、消費に対して積極的という矛盾した行為を、同じような格好をしている人がよく行うため、そこにザワつく人が出てきたのです。
とはいえ、新しい価値を持つ人が現れると、その人たちを“斜めから見る人”は常にいるもの。インターネットの環境が整い、“見える化”が進んだことで、その傾向はより強まったかと思います。「サードウェーブ系男子」の次の「○○男子」「○○女子」が登場した時もきっと、斜めから見る人はいるでしょうし、ザワつく人がいると思います。
当事者が楽しくて、自分たちと価値観の違う人を変に攻撃しないのであれば、特に騒ぐことないのではと思います。ですので、今回はそんな「サードウェーブ系男子」の善し悪しを決めることはしません。
ただ、色々と調べていると、このサードウェーブコーヒーには、若干の未熟さがあるように思えてきました。
今回参考にしたのは、ミカフェート代表取締役で日本サステイナブルコーヒー協会理事長の川島良彰さんの著書『コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味しいのか』です。そのサードウェーブコーヒーについて見てみましょう。
アメリカにおいてのファーストウェーブが始まったのは、1980年代前半頃。当時、大手焙煎企業が市場を独占しており、安かろう、悪かろうのコーヒーが主流となっていました。しかし、それに疑問をもった中小企業が集まり、スペシャリティコーヒー協会を設立。当時はフレーバーコーヒーが主流となっていました。
その次の転機となったのが、エスプレッソ・マシンを使ったスターバックスの登場。1990年代に全米に店舗を増やし、一つの時代となりました。
ここで少し話が横道にそれますが、日本にブルーボトルコーヒーがオープンし、大変な行列になっていることに、アメリカのコーヒー関係者は大変驚いたそうです。なぜでしょう。