いつかは悪役もやってみたい!
続いては、生田さんに手塚治虫作品(※塚の字は旧字体)の魅力と、お気に入りのキャラクターを語っていただきました。生田さんが次に演じてみたいのは、意外にもあのキャラ?
――生田さんは2014年の「虹のプレリュード」に続いて、今年も手塚作品の舞台で主演を務められます。手塚作品の魅力はどんなところにあると感じてらっしゃいますか?
生田「原作を読んでいると、平面の紙のはずなのに、舞踏会のシーンは、まるで音楽や歌が聴こえてきそうで…。情景がすごく動いてくるように感じるんです。手塚先生の作品は、そこが凄いところだな、と感じます。今回の舞台で、頭の中にあったイメージと同じシーンがステージ上で目の前に現れると思うと、すごくワクワクしますね」
――なるほど、頭の中でイメージしていたものが現実になる、と考えたらすごいことですよね。
生田「それに、いろいろなキャラクターがいて、みんな個性たっぷりで。そのキャラクターが、舞台で忠実に再現されているところも、今回の見どころだと思います。本当にリアルなんですよ。
サファイアの前髪も、現実にいたらこうだろうなっていう角度になっているし、ジェラルミン大公のゲジゲジ眉毛も、不自然ではなく、本当にいたらこうかも?っていう感じで再現されてます!」
――あのゲジゲジ眉毛がリアルに?! それは気になりますね!魅力的なキャラクターだらけの『リボンの騎士』ですが、サファイア以外の生田さんお気に入りキャラクターはいますか?
生田「そうですね…はいだしょうこさんが演じるヘル夫人です! 私は、はいださんといえば“うたのおねえさん”のイメージが強かったんです。でも今回は、ガラッと変わって、すごい迫力で、お化粧も立ち姿も、歌声も違うんです。
お客さんも、最初に見たらはいださんってわからないかも…。綺麗なんですけど、光ではなくて闇の美しさ…。私もそんなはいださんを初めて見たけど、ご本人も「新境地です」っておっしゃっていました。初めての悪役だそうです」
――おお、しょうこおねえさんの悪役、見てみたい!
生田「でも、ただの悪役っていうわけじゃないんですよ。娘のヘケートへの愛情はすごくあるんです。でも、それがねじ曲がって反発し合う…。変わった親子愛だけど、すごく強いんです」
――原作でも、ヘル夫人とヘケートの親子関係は印象が強いですよね。
生田「作品を通して、いろいろな登場人物の、いろいろなストーリーが散りばめられています。『リボンの騎士』はサファイアの物語でもあるけど、同時にいろいろな物語もあるので、そこも見てほしいですね」
――何十年か経って、生田さんがヘル夫人を演じることもあるかもしれませんね。
生田「あはは、そうですね(笑)。いつか悪役もやってみたいです!」