T.MBH「くるみ ペンポーチ」9600円
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もう少し、大人っぽいというか、高級感が欲しい場合のポーチも、何とこの春、いきなり登場した。これまで、超高級革製品だけを発表してきたT.MBHの新作「くるみ ペンポーチ」(9600円)だ。ブッテーロというイタリア製の牛革を使った汎用ポーチ。一枚革で作られたシンプルな構造で、一見するとポーチというより革製のペンケースといった趣。金属部品が一切ない、革で中のモノをくるむだけなのだけど(だから製品名も「くるみ」なのだ)、このシンプルに見える構造が、このポーチの汎用性の秘密。

 

こんな風にデジカメとケーブルと充電器を収納する事も可能
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革を一ヶ所だけ縫い付けて、後はそこに差し込むだけの構造は、要するに全体がマチのようなものなので、内容物に合わせて厚みをダイナミックに変える事が出来る。つまり、筆記具を5~6本入れればペンケースになるけれど、ここにデジカメとかを入れれば、デジタル機器用のポーチにもなってしまうのだ。そして、どのように厚みが変化しても、外観は特に崩れる事も無く、元々、そういう厚みのケースなんだな、という感じに見える。革製品でありながら、このダイナミックなトランスフォーム(というほどに派手な変化では無いのに、用途は激しく変化するから、ここはトランスフォームと呼びたいのだ)は、中々珍しい。そして、本当に便利。

一体化したステッチ部分。どう縫ってあるのか見ただけでは分からない
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そんなアイディア商品のようでいて、革は使い込むと艶やかに見た目や触り心地が変化するタンニン鞣しの高級品。革の仕上げも丁寧で、「ブッテーロ」という革の魅力が存分に味わえるようになっているのも、大人の道具として良くできてるのだ。細かい事を言えば、ただ一ヶ所の縫い目部分も、何故か下に糸が出ていない、超絶テクニックによって仕上げられていて、革製品としての完成度の高さまで楽しめてしまう。これがまた、デジタル系、特にACアダプターとケーブルを入れるのに形も最適。形も大人の筆箱といった感じだし、筆記具とも相性が良いから、文具とデジタル小物を一緒に入れたい。筆者は、デジカメのバッテリやカッターナイフなどの文房具を入れて持ち歩いている。 

中村文具店「A5ノートカバー+α」36750円
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ついでに、文房具を持ち歩くケースとして、ノートカバーに文房具入れを用意してしまったオールインワン文具ケース「A5ノートカバー+α」(36750円)も紹介しておこう。これは、文房具をやたら持ち歩きたいと思った女性の発案によるもの。筆者が考案した取材用ノートケース「Note Me」(8800円)の対極のようなケースだけど、この、道具のオールインワン感は、まるで小学校の家庭科の授業で初めて裁縫箱を購入した時のようなドキドキを感じさせてくれる。しっかりした縫製の革製で長く使えるのも魅力。 

のうとみ・やすくに 東京小猫商会コモノ部1号、文具部3号。フリーライター、All About男のこだわりグッズガイド、懐中雑誌ぱなし編集長。夕刊フジ「オトコ小物の名品」、日経トレンディネット「聞いた、試した、すごかった! 最新ビジネスギア情報局」、Pdweb「今月の気になるプロダクト」など、モノ系の連載も多数。著書はデジタル系からモノ系、ドリンク系、書評系など幅広く出版。ラジオやテレビやトークイベントで喋ったりもするし、オリジナルグッズのプロデュースや販売もする。現在、プロのライター向け取材用ノートカバーをプロデュースし発売中