DEZERT (撮影・インテツ)

千秋がステージに登場し、「『眩暈』」が始まるとステージ後ろのライト群が派手に点滅する。そして一気にフロアがヘドバンの海に化ける。その海から時折キメのタイミングでスッと伸びる数々の腕。これが、DEZERTのライブの光景だ。

千秋の絶叫から『メリーさんの自殺未遂』、そして『「殺意」』『脳みそくん』と立て続けにアッパーチューンを繰り出し続ける。「遊ぶなら! 本気で遊べ!」と千秋が吐き捨て『不透明人間』へ。

そしてSaZのベースから『肋骨少女』、『胃潰瘍とルソーの錯覚』と比較的ミドルテンポの曲を聴かせる時間をはさみ、再び『「絶蘭」』でフロアを狂騒の渦に変化していく。

千秋(Vo) (撮影・インテツ)
Miyako(G) (撮影・インテツ)

鋭く激しい音とパフォーマンスの中で、どこか冷静な、言ってしまえは人を喰ったようなところも感じるのがDEZERTの特徴のように思う。それはたとえば「…少し休もうか?」という前フリから、まったく休める曲調ではない『ゴシック』が始まったり、フロアに向かって「10メートルくらい飛ぶからな!」とフロアへのダイブをほのめかし、助走をするもスッと取りやめるというような、冗談なんだか本気なんだか判断のつかない振る舞いで観るものを煙に巻いていく。

そしてSaZとMiyakoがステージ中央で拳を掲げフロアを煽り、フロアの温度と湿度は更に高まっていく。「人間は疲れる! でも心でカバーもできる! 僕はそんなアーティストになりたい」やはり本心なのかそうなのかわからない発言から、『「教育」』へ。