今回のツアーは、アルバムJPNの発売と連動していますので、もちろんJPNからの楽曲が多いです。ですが、以前からのファンには感涙モノのあの曲や、もうド定番のあの曲なんかもやってくれちゃいます。本当に、2006年9月に初めて見たときの事を思い出して、もう涙腺がかなりゆるくなっちゃいましたから。一人一人と握手し、顔を覚え、じっくり話してくれていたPerfumeが、こうやって全国をアリーナツアーしているPerfumeと、自分の中でやっと実感を持って繋がったっていうか…。あの頃のPerfumeが成長して、ここにこうやっているんだ、ということを再確認させてくれる瞬間だったんです。本当に本当に、隔世の感があるとはこのことです。ステージの仕掛けだって、2006年から2007年の前半ごろなんて、電飾がほんのちょっと使われただけで、おおー!って感じでしたもの。大舞台のステージングにしたって、2007年末、アミューズ主催のイベントAAAで初めて武道館に立ったときには、ポリリズム1曲だけパフォーマンスしたあと、まるで逃げるように去っていったんですから。でも、あの頃のPerfumeの延長線上に、現在のPerfumeはいるんです。その成長を追えるというのも、Perfumeの魅力の一つなんですよね。
そして、そのステージを動き回る3人のダンススキルの高さたるや!動きの止め、跳ね、払いがもう、キレッキレにキレているのはもちろんのこと、微妙にタイミングをズラすことで曲にさらなる躍動感を与えたり、時に振り付けをすべて放棄して飛び跳ねまくったりと、この1年半の間に思いっきりスキルアップ&表現力アップしまくってました。特殊効果やギミックだけじゃないんです。しっかりしたパフォーマンスがあるからこそ、大掛かりなセットが活きてくるわけです。Perfumeの3人は、何度も何度も大舞台の経験を積んで、大きなアリーナ会場をコントロールする経験とスキルを身につけてきています。それも、面的な広がりを志向するのではなくて、それぞれのパフォーマンスを極限まで高める事による表現、至高を目指す、縦の表現とでも言ったら良いでしょうか…そんな極地に達していると思います。運動能力の塊のような迫力のあるのっち、クールにすべてを表現しきるかしゆか、そして計算しつくされたパフォーマンスとストレートな感情表現を最高のバランスで魅せてくれるあ~ちゃんという、3人それぞれの違いも浮き彫りになっていまして、いやはや、感服いたしました。その立ち姿は、威風堂々というよりも、崇高さといいましょうか、もうこれ気持ち悪いくらいのレベルで褒めてますけど、神聖さ、みたいなものを醸し出しておりました。
だからこそ、人間味溢れるというか、もう、ほんっとしょーもないことを(褒めてます!)だらだらーっと話してくれるMCに癒される…という図式になってきましたね。ついにカミまくりをキャラにしてきたのっち、「前回のツアーは半分がMCじゃったね」とさらっと言ってのけるかしゆか、そして仙台恒例のTSUTAYA駅前店での思い出を滔々と語るMC番長あ~ちゃんというトークのキャラ分けもしっかり。恒例の客席グループわけを「仙・台・グランディ・21!」にしようとするも覚えきれず「シン・ディ・ロー・パー!」に分けてしまうというのは度肝を抜かれましたし、こちらも恒例の客席いじりを長々とやりつくした挙句、「あのZってなーに?あ、会場のゾーン分けか。有りもののやつじゃったね!」とまさかの会場いじりまでしだすあ~ちゃん、相変わらずの話術でございます。一時のような過激なキレはさすがに鳴りを潜めましたが、やはりPerfumeのMCは面白い!さすがに前回ツアーほどMC時間が長くないのは助かりました(笑)。