そうこうしている内にずいぶん進んだ。次のダンジョンは…!

そう、まったく課金しなくても最後のステージまで行けた。今後さらにダンジョンが追加されたりはするかもしれないけど、今の所これが最後っぽい。パズドラでは「魔法石」というアイテムをまれに手に入れたり、お金で買うんだけど、1個85円、12個850円、85個5200円。これには

・1個でダンジョンに挑戦するためのスタミナ回復
・2個でゲームオーバー時の再挑戦
・5個でレアモンスターが出るガチャ1回
・1個で所持出来るモンスターの上限を5個増やせる

というように、バラエティのある用途がある。なんか、お金を払わず最後までしっかり楽しんじゃって。魔法石も極力節約し、それでいて、ここぞという時には効果的に最小限使用してきた賢い自分がずいぶん無粋な人間に思えてきた。

お金払わなくても最後まで行けて、その魔法石も時々くれる。サーバーが不調で数時間ゲームが遊べなくなった時も、お詫びとして魔法石をくれたっけ…こんな心優しいゲームに、自分はなんて小さな心で取り組んできたのか…急にスタッフが徹夜で作業したり、突然起こったバグを直している景色が浮かび、なぜか貯め込んだ魔法石を全部ガチャに使うことに。

これで自分の心も落ち着くかと思いきや、ガチャを回すたび、今まで見たことないちょっとクセのある、ドラゴンとか直球じゃなくてデザインもなんか「ひとひねり」してるモンスターがどんどん出てくるわ出てくるわ。これ以上ひとひねりあるモンスターが出てきたら危ない。1体気に入ったモンスターが出てきたら、絶対手持ちのパーティー全部気に入ったのにしたくなっちゃうと思ってガチャ中止。以来数日ずっと、「ネコっぽいドラゴンとかがおるんやないやろうか」「あれきっとゾンビ系キャラも出るはずやで…」などと思う日々を過ごすはめに。

つまり結局、僕がパズドラを数十日間やっていて、1度も悔しい思いで魔法石を使わざるをえない状況には出会わなかった。十分に楽しんだゲームにさらなる有料要素があり、そこに「やってみたい」と思わせる魅力があれば、なんてことはない、ゲーム全体に対しては後払いなのだからこちらは気持ちよく払えるというわけです。

それとは別に、子どもは自制がきかないから…などの問題に対しても、年齢に応じた月間使用金額上限が備わったり、各社いろいろな対応を進めています。これだけ認知されてきたソーシャルゲーム。今後も山積する問題をクリアし、より新しい面白さを持つゲームが生まれることを、作り手も遊び手も望んでいるでしょう。 

【関連サイト】
パズル&ドラゴンズ公式ウェブサイト
「まず遊んでみて欲しい!」と激推ししたくなる時間泥棒カードパズル。無料。 - AppBank
パズル&ドラゴンズに業界が騒然!「次の iPhone ゲーム」を作った男、山本大介氏インタビュー。 - AppBank 

かやま・てつ 漫画家、ゲーム作家。自作のインディーズ出版者ごっこ「ドグマ出版」で自分に漫画新人賞を与えてデビュー。著書に『ランチパックの本』など。mixiやmobage、GREEなどのゲームアプリや、iPhone向けのゲームも制作。公式HP

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