NHKの大河ドラマ「真田丸」の主人公、真田信繁(堺雅人)の姉、松(木村佳乃)の夫で武田家の家臣、小山田茂誠を演じている高木渉。声優として長く活動している高木が初めて出演した実写ドラマでの驚きの日々を語る。
-反響がすごいですね。
声優をしているのでアニメやゲームファンの方々も大河ドラマに注目してくれているんだと思います。うれしいですね。放送後にインターネットで検索される回数が多くなり、2位に順位が上がっていって。もう、びっくりしました(笑)。
-出演の依頼を受けたときはどう感じましたか。
「真田丸」の吉川(邦夫)プロデューサーが、僕が声の出演をしている三谷幸喜さんの人形劇「シャーロック・ホームズ」という番組でもプロデューサーをされていたんです。僕が出演している舞台も見にきてくださって、後日お会いした時に「大河ドラマに出てみないか」と言われたんです。もううれしくて地に足が着いていなかったですね。同時に三谷さんからも「来年1年空いてる?」ってメールが来たんです。新しい世界で挑戦させてもらえるというのはまたとないチャンスだなと思いました。
-実写ドラマの初出演が大河ですね。撮影現場で何を感じました。
声優の仕事は映像が出来上がっている状況から順録りで収録していくんです。でもドラマはシーン入り乱れての収録ですし、当然せりふを見直す台本も持っていられないですから、本番時の役者さんの集中力の違いを感じます。
-茂誠は人間くさくて、武将らしくない武将ですね。
周りからは「高木さんの人の良さそうな感じが出ればいいので、固くならずに自由にやってください」と言われています。松とすごく仲が良くて、真田家の中に僕たちがいると温かい空気が流れてみんながほのぼのとする感じ。家族の絆を作るのが僕たち夫婦の役目かなと思っています。
-波瀾(はらん)万丈な生き方ですよね。
そうですね。でも、勝ってのし上がろうとかいうのではなくて、この戦国の世の中で、領民を含め自分たちの生きられる道を必死に探していたんじゃないでしょうか。僕も真田一族としてしっかり縁の下の力持ちでありたいですね。
-木村佳乃さんとは演技について何か話しましたか。
木村さんも「仲の良さで家族に笑いが起きるような夫婦像を作っていきましょうね」とおっしゃっていました。
-今後は映像作品への出演が病みつきになってしまうのでは?
面白いですね。でも難しくて今は余裕がないですね(笑)。まず今あることをしっかりやりたいです。
-戦国時代や歴史に興味はありますか。何か準備はされたのでしょうか。
史実についてはいろいろと勉強しながら、でもあまり捉われ過ぎずに、ヒューマンドラマを心を込めて演じたいと思います。
-声優を目指している若い人たちに、何かアドバイスはありますか。
今や声優の世界も随分グローバルになってきました。歌やイベントやラジオのパーソナリティをこなしたり。僕は舞台をやってきましたが、それぞれ勝手は違ってもお芝居をするという意味では声優も俳優も同じなんだと思います。それぞれ得手不得手はあるでしょうから自分に合ったものを見つけて表現できる場を広げていけたら良いのかなと思います。