ハ・ジウォンとペ・ドゥナ 撮影:杉山正直 ハ・ジウォンとペ・ドゥナ 撮影:杉山正直

韓国の女優ハ・ジウォンとペ・ドゥナが4月20日、千葉市民会館で開催された主演映画『コリア』の特別試写会に登場。試写会前に記者会見を行い、作品への思いを語った。

会見の写真

同作は、1991年に千葉で開催された第41回世界卓球選手権大会で、史上初の南北コリア統一チームとして出場することになった卓球選手達の46日間を描いた物語。ハ・ジウォンは韓国のヒョン・ジョンファさんを、ペ・ドゥナは北朝鮮のリ・ブニさんを演じている。

ハ・ジウォンは「『コリア』は、俳優とスタッフの汗と情熱が込められた作品です。最初は、北朝鮮の人の言葉に対して、同じ民族なのに違和感を感じたこともありましたが、46日間を通して、“ふたつよりひとつの方が強い”、“ふたつがひとつになる”ということに心を揺さぶられました。南北間の事実を知らない若い世代の人たちも感動すると思います」と熱っぽく語った。

また撮影を振り返り、ハ・ジウォンは「撮影現場の体育館の室内温度は50度近くあったのですが、1日12時間、1か月間過ごしました」と過酷な状況下であったことを明かし、ぺ・ドゥナは「約6か月近く卓球の練習をしたら足の親指の爪がとれてしまいました。ヒョン・ジョンファさんに伝えたら『私には足の爪はありません』とおっしゃいました」と過酷な練習を思わせる告白で驚かせた。

会見には、ムン・ヒョンソン監督やキャストのパク・チョルミン、元統一チームのヒョン・ジョンファさんらも同席。本作がデビュー作となるムン・ヒョンソン監督は「南北間の関係で、唯一の美しい出来事が今回の選手達の物語じゃないかと思いました。幼い頃から卓球に興味があり、ヒョン・ジョンファさんのファンでもあった」と作品誕生のきっかけを語った。今回来日した唯一の男性俳優のパク・チョルミンは「私は“顔”で成功する俳優です」と会場を沸かせながら「コーチ役として卓球の球を200~300球投げる練習をひたすらしていました。お酒に酔うシーンは40杯くらい飲んだのでその日は何も食べられなかった」と終始笑いを誘った。

実際に、統一チームとして戦ったヒョン・ジョンファさんは「全編をあえて観なかったのですが、先日、全て観た時に昔のことがオーバーラップして涙しました。ハ・ジウォンさんもペ・ドゥナさんもしっかりと演じてくださって感謝しています」と感慨深げに思いを述べた。

特別試写会では、ペ・ドゥナをはじめ出演者も観客とともに鑑賞。上映後に行われた舞台挨拶では、ハ・ジウォンは感極まって涙を流し、言葉を詰まらせていた。

映画『コリア』は韓国にて5月3日(木)より公開される。日本での公開は未定。