劇場版『ジオウ・リュウソウジャー』製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

 若者のテレビ離れが叫ばれて久しいが、中村倫也や田中圭などブレークする俳優は今もドラマ出演がきっかけになることが多い。2019年上半期は、深田恭子が主演したドラマ「初めて恋をした日に読む話」でピンク髪の年下男子を好演した横浜流星が多くの女性の心をつかみ、一躍人気俳優の仲間入りを果たした。果たして下半期はどうか? 今後のブレークが期待される俳優を紹介しよう。

 若手俳優の登竜門ともいえる「仮面ライダー」は、これまでにも佐藤健や福士蒼汰、竹内涼真など数々の人気俳優を輩出してきた。だから…というわけではないだろうが、現在放送中の「仮面ライダージオウ」にもイケメン俳優がずらりと並ぶ。その中でも、ひときわ目を引くのが、黒ウォズ/白ウォズ/仮面ライダーウォズを演じる渡邊圭祐だ。

 渡邊は、出身地の仙台でモデル活動をしていたという経歴はあるものの、実質本作がデビュー作。しかし、そうとは感じさせない落ち着いた雰囲気と大人っぽい色気で存在感を発揮している。高身長でイケメンであることは言わずもがな。現在、「仮面ライダージオウ」は佳境を迎え、物語も大きな盛り上がりを見せており、毎週目が離せない展開が続いているが、「仮面ライダー」を卒業した後の渡邊が、どのような活動を見せるのかも楽しみだ。

 横浜流星に続く“年下男子”として熱視線を集めているのが、現在放送中のドラマ「偽装不倫」に出演している宮沢氷魚だ。ドラマでは杏が演じる主人公・濱鐘子と恋に落ちる丈を堂々たる演技で演じている。

 宮沢は、2017年放送のドラマ「コウノドリ」で俳優デビュー。その後、18年放送のドラマ「トドメの接吻」、19年1月期放送のドラマ「僕の初恋をキミに捧ぐ」でも存在感のある演技で話題を呼んだ。『愛がなんだ』で知られる今泉力哉監督の最新作『his』(20年公開)では、同性愛者役で映画初主演も決定している。スッキリとした塩顔のマスクと独特の空気感を漂わせる雰囲気は唯一無二。今後もその存在感で他を寄せつけない魅力を発揮することだろう。

 8月23日に公開される映画『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』でマロこと栗林歌麻呂役の演技が光る金子大地も忘れてはならない。金子は15年ドラマ「カサネ」で俳優デビューすると、映画『64-ロクヨン-』、ドラマ「明日の約束」、映画『ナラタージュ』と数々の話題作に出演。18年のドラマ「おっさんずラブ」でのマロ役に続き、連続ドラマ初主演となった「腐女子、うっかりゲイに告る。」での好演で注目を集めた。

 どんな役でもこなす演技力と柔らかい印象を与える甘いマスクが人気を支え、19年は『どすこい!すけひら』(11月公開)『殺さない彼と死なない彼女』(11月15日公開)と出演映画も多数公開。今後、さらなる活躍が期待される。

 2018年放送のドラマ「今日から俺は!!」で相良猛を演じて頭角を現した磯村勇斗も挙げておきたい。実はそれ以前から連続テレビ小説「ひよっこ」ではヒロインみね子の結婚相手である前田秀俊役、「仮面ライダーゴースト」ではアラン/仮面ライダーネクロム役など数々のドラマ・映画に出演し好演を見せてきたのだが、その演技が改めて評価されたのは、やはり前述の「今日から俺は!!」だろう。

 磯村にとって初めての悪役となった同ドラマの相良は、卑怯な手も平気で使う非道なキャラクター。磯村はそんなヒールをとことん演じきり、視聴者に強いインパクトを残した。

 その後も、「きのう何食べた?」のジルベール役、現在放送中の「サ道」でのイケメン蒸し男役と、変幻自在にさまざまな役柄を演じている。8月25日からはPARCOプロデュース「プレイハウス」でミュージカルに初出演。歌舞伎町を舞台に繰り広げられる本作でカリスマホスト役を演じる。さらに、10月スタートのドラマ「時効警察はじめました」にも出演が決定しており、今後が楽しみな逸材だ。(嶋田真己)