WOWOW『ドラマW この街の命に』に出演した加瀬亮(右)と篠原篤(左)

動物愛護センターを舞台に、1年間に10万頭を超える犬や猫が殺処分される現実と向き合う現場スタッフの苦悩と葛藤を描いたWOWOW『ドラマW この街の命に』。俳優の加瀬亮が行政獣医として、法律に従い業務を遂行する牧田洋を、『恋人たち』で数多くの新人賞に輝いた篠原篤が心を持たずに、日々の業務にあたる作業班・木崎良太を演じている。

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加瀬は役作りのため、実際に殺処分に携わる職員から話を聞いたといい「何とも言えない表情で、『片手で動物たちをなでて、片手で絞め殺す。そんな仕事だよ』とおっしゃっている姿が印象に残った」と明かす。そんな矛盾した思いを入口に、主人公・牧田にアプローチした加瀬は、「誰も手を汚したくないという気持ちがある中で、殺処分が施設に押し付けられている現実に、役としてはもちろん、自分自身も向き合うことになった。突きつけられるものが多い作品でした」と真摯なまなざしを見せた。

一方、篠原は自身が演じる木崎について「彼は仕事とは何かをずっと考えていたと思う」と語り、「働いてお金を稼ぐだけじゃなくて、せっかく生まれてきたからには、限られた命を使って、何をするべきか……。世の中での役割、というと大げさですが、俳優業について、今まで以上に考えるようになった」。さらに「まだ経験が浅いですが、どんな現場も全力で取り組む俳優でいたいと思っています」と俳優としての決意を新たにする。

「ドラマや映画は、道徳の場ではないので、自分らが質問を投げかけ、観てくださる皆さんが答えを見つけてくれるのが理想。頭ごなしに押し付けては、大切なことも伝わらない。一方通行なドラマにならないよう、あえて感情を抑えた分、丁寧に題材と向き合うドラマに仕上がったと思います」(加瀬)

「スカッと爽快な気持ちで終われる作品も大切ですけど、それ以上に作品を観て『眠れなくなる』くらい強い印象や衝撃を与えられたら、それは観てくださる皆さんにも、僕らにとってとても意味や価値があると思います。僕自身もそんな作品に何度も助けられたことがありますから」(篠原)

取材・文・撮影:内田涼
加瀬亮ヘアメイク/細川昌子(ベレッツア スタジオ)
加瀬亮スタイリスト/梶雄太


WOWOW『ドラマW この街の命に』
4月2日(土)夜9時よりWOWOWプライムにて放送

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4月2日(土)昼1時~
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