3. より丁寧なストーリー描写で、「サークル・オブ・ライフ=命の環」感が明確に!
“自然界の命は大きな環で繋がっている”という、命あるものへの敬意に満ちた「サークル・オブ・ライフ(命の環)」の思想は、ライオン・キングの世界観を支える大きなテーマのひとつ。
本作では、「世界は皆で分かち合うものであり、それぞれが果たすべき役割がある。一人ひとりが独立しながらも、お互いに繋がっている。」という、新たなメッセージも込められています。
アニメ版に比べて、特にラフィキが「シンバが生きている! 」と気づくシーンや、幼少期は「展開早すぎ…」と思っていたラストシーンで、このテーマがより深く、随所で丁寧に描かれていました。
より浮き彫りになった不朽のテーマ
また、アニメ版では少し端折られていた、助けを求めるナラの決死の覚悟やシンバの葛藤、ハクナ・マタタの解釈がより丁寧に描かれた本作。
「サークル・オブ・ライフ」のテーマが、より浮き彫りになった事もあり、後半の展開やラストシーンに、かなり説得力が出たように感じました。
故郷へ戻って戦い、かつて父が立っていた場所=いわば玉座に恐る恐る足を踏み出し、ついに父と同じようにシンバが咆哮した瞬間の重みが、もう段違い。
幼少期は2回タイトルが出ることが疑問でしたが、1回目はムファサ、2回目は成長し名実ともに王となったシンバに向けての『ライオン・キング』なんだな、と言うのが、より明確に響く感じ。
プライドランドに生命が戻り、誕生の儀式に再び動物たちが集まり、最後にシンバの子が吠える。
命の環は繋がり、繰り返される、また巡って行く…それが「サークル・オブ・ライフ」だ!
と言うメッセージが、実写映像の説得力と丁寧な描写で、ストレートに心に響いた事に、感動を覚えました。
4. アニメでは描き切れなかった、実写ならではの迫力やリアルさ
アニメ版『ライオン・キング』は、美しいアニメ―ションで描かれるサバンナの壮大な景色、生き生きと動く動物たちが魅力です。
アニメでここまで出来るんだ! と言う、草木や背景、動物のリアルさは、他に類を見ません。
本作ではそれらが全て実写映像になるわけですが、もう「シンバ、すぐそこにいるじゃん…」と錯覚するほどのリアルさ。
動物たちの毛並み、筋肉の動き、ふとした表情や咆哮の迫力たるや!
実際はアニメのようにライオンが涙を流すこともない…なのにキャラクターの細かな心情まで伝わって来ます。
ラストの決闘シーンのド迫力ぶりは、思わず身がすくんでしまうほど。
フルCGだとは思えない、美しくリアルなシーンの数々はもう、ひとつの新たな"映像体験"でした。
目の前に広がる、臨場感あふれるサバンナの大地
美しい風景の数々も凄い。
シンバたちが暮らすプライドランドや、暗く怪しい象の墓場、ヌーが暴走する谷底、ティモンらが暮らす美しいジャングル…
アニメ版でおなじみの舞台が、想像を遥かに超える"超実写版"の映像となって、目の前に飛び込んできます。
草木の匂いや岩肌をなぞる風、砂ぼこりまで感じられるような立体感と壮大さに、驚くばかり。
でもちゃんとアニメ版の舞台として忠実に再現されていて、「あ、あの場所だ…! 」と一目でわかる様は、作り込みが本当に凄い。
シンバたちが暮らすサバンナの地が、どんなに広大なものなのか、実写版でまざまざと見せつけてくれました。
臨場感と没入感が半端ない映像の数々は、絶対に劇場で見るべきです!