ドリランドでは、貴重なカードを不正に入手できるバグが大きく問題になってから、特定のカードのみプレイヤー間トレードを禁止している。ゲーム画面に「このカードは交換禁止解除になりました」「これらカードは交換禁止のままです」というリストが並び、さらに不正行為でアカウントを停止された人の数なども列挙し、「対策」のパワーを示している。なんか余計「ものものしい雰囲気」が漂ってる気もしないではなけど、運営努力は伝わってくる。

ただ、GREEの発表したRMT対策の効果と、それを問う声もあり、ここはまだまだ毎日目が離せないような状況が続いている(GREEの発表したRMT対策とそれに対する意見は参考リンク参照)。

カード交換自体を全面禁止すればRMTが不可能になるが、ゲームの面白さを損なってしまう恐れがある。僕はゲームを始めた頃に強いプレイヤーに、そこそこ使えるカードをもらって、それでずいぶん助かったり、ゲーム中の仲間との絆みたいなのを演出するのにトレードは重要な要素だ。

ゲームのルール(規約)は、ゲームのデザインとか運営方針と法律とで決まり、プレイヤーはそれに従って遊ぶことになるが、子どもを犯罪や過度な課金から守るためにいろいろな対策が今どんどん各ゲームで進んでいる。

RMTを禁止したり、「18歳未満は1か月に課金1万まで」とか、いろいろ対策はあると思うけど、僕にもし中学生の子どもがいたら、「とにかくまずゲーム100本遊んで、面白いかどうか、お金をかける価値があるかどうかという自分なりの基準か作ってみたら?」とか言うかもしれない。その上で、お小遣い全額ドリランドに注ぎたいっていうなら、僕なら納得するかな。

子どもが守られるだけでなく、自分で守れるようになっていくことも大事かな、と思う。そして、だからこそ、まあまあ自衛できるまではきっちり大人が守ってやる必要がある。

僕の子どもの頃は、「シール目当てにチョコ買って、チョコ捨てちゃいけない」ぐらいの社会問題しかなかったけど、今は複雑でリスクも大きい。やっぱり停止アカウント数を出したりするのも、「ルールをやぶる人が出てきて、それに対策が必要になるようなゲームを僕らはやっているんだ」ということを知る上でも必要だ。

【参考リンク】
「探検ドリランド」のRMT件数・落札額が激減 RMT対策に大きな効果-ITmediaガジェット
グリーの発表は本当か RMT対策の効果を検証する- BLOGOS

かやま・てつ 漫画家、ゲーム作家。自作のインディーズ出版者ごっこ「ドグマ出版」で自分に漫画新人賞を与えてデビュー。著書に『ランチパックの本』など。mixiやmobage、GREEなどのゲームアプリや、iPhone向けのゲームも制作。公式HP