覚悟が試される除霊法「びっくりするほどユートピア!」

ファブリーズと並んで、ネットで有名な除霊法。ただし実際にやったとの報告例はきわめて少ない。なぜなら、実行するにあたって多くのものを捨て去らなければいけないからだ。

やり方にはいくつかバリエーションがあるが、おおむね以下のような手順になる。

・まず全裸になる
・自分の尻を両手でパンパン叩きながら白目をむき
・「びっくりするほどユートピア!びっくりするほどユートピア!」と叫ぶ

これを10分ほど続けると妙な脱力感に襲われ、解脱気分に浸れる。ついでに霊も退散する……らしい。

このネタは2002年に初めてネット掲示板「2ちゃんねる」に登場し、改変を加えながら進化。2009年、ロシア人のイケメン男性が実演動画をニコニコ動画にアップして大いに話題となった。

現在、この動画はYouTubeで閲覧することができる。「びっくりするほどユートピア」で検索すれば簡単に見つけられるが、実演時の声が大きいこと、若い男性の全裸姿が映っていることから、特に女性の方は自己責任で視聴いただきたい。

©2016「貞子vs伽椰子」製作委員会

物理的に撃退する

国内外において、近年の除霊トレンドがこれ。ネットでは「物理的除霊」または「除霊(物理)」と呼ばれている。専門的なおフダも呪文も結界もいらないから、とにかく“殴る・刺す・溶かす・焼却する”といった物理的手段で霊を追い払おうという考え方だ。

『貞子 vs 伽椰子』の白石晃士監督も、自身の作品でこの方法を好んで使っている。白石氏が手がける人気ホラードキュメンタリー『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズでは、名物キャラクターの工藤ディレクターが“物理的除霊”のエキスパート。霊に憑依された人間を拳で殴り、口裂け女を自動車で跳ね、凶暴なカッパにも格闘戦を挑む。呪術アイテムのサポートを借りながらとはいえ、あらゆる超常現象に拳とバットを叩き込む姿は熱狂的ファンを生んだ。
 

 

他にも“物理的除霊”は、ニコニコ動画「ホラー」カテゴリに自身の霊体験(?)を投稿している、ギコ・ウプヌシーさんが有名。

何ごとにも動じない鉄壁の精神力を持ったウプヌシーさんは、凶悪な呪術アイテムを超高熱で焼き払い、悪霊の宿った刃物をグラインダー(研磨工具)で粉々にする。悪霊を恐怖の存在としてではなく、排除する対象とみなす冷静な対応が投稿動画で評価され、これまた固定ファン層を獲得している。
 

 

皆さんも悪霊に襲われた時は彼らに倣って、物理ダメージが与えられそうな相手なら挑戦してみてはいかがだろうか。たとえば『呪怨』の伽椰子は這って移動することが多いので、踏みつけやローキックが案外効くかもしれない。筆者は絶対やりたくないが。