(左から)瑛太、榮倉奈々、佐藤浩市、綾野剛

横山秀夫のベストセラー小説を2部作で映画化した『64-ロクヨン- 後編』が6月11日、全国321スクリーンで封切られた。東宝によると、同日15時の段階で『64-ロクヨン- 前編』(公開35日目の6月10日時点で興行収入15.3億円)対比で、140%の観客動員数を記録。前後編を合わせて興行収入40億円突破を見込める大ヒットスタートを切ったと発表した。

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同日、東京・TOHOシネマズ日劇で初日舞台あいさつが行われ、原作者の横山氏をはじめ、主演の佐藤浩市、共演する綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、滝藤賢一、吉岡秀隆、瑛太、永瀬正敏、三浦友和、瀬々敬久監督が登壇。キャストを代表し、佐藤は「前編でヒットしてくれて、やっとここまで来ることができた。これで僕らの仕事も終わりました」と安堵の表情を浮かべた。

わずか1週間で終わった昭和64年に起きた未解決の少女誘拐殺人事件(通称:ロクヨン)を軸に、県警記者クラブを巻き込んだ警察内部の対立と、14年を経て新たに起きた模倣事件の顛末を、県警の広報官・三上義信(佐藤)の葛藤とともに描く。

前後編で約3カ月という長丁場の撮影を乗り切った佐藤は、「キリキリとした日々を過ごし、やっと撮影を終え、山の頂きに登れたと思ったら、頂上からの景色は雲海で何も見えなかった」と心境を吐露。後編の封切りを迎えたこの日、ステージから満員の客席をながめながら、「皆さんのお顔を見て、雲海が晴れました。ロクヨンの景色が見られました」と感無量の面持ちだった。

原作の横山氏は「圧巻の出来。原作が映画に乗っ取られた」と本作に太鼓判を押し、「(小説の)続編を書こうかなと考えていましたが、映画の結末を見る限り…」と思わず本音も。一方、瀬々監督は「原作とはやや違った結末ですが、原作の魂と世界観、いわゆる“横山節”を基盤にしているので、小説と映画、それぞれの世界を楽しんで」とアピールした。

『64-ロクヨン- 前編』
公開中

『64-ロクヨン- 後編』
公開中

取材・文・写真:内田 涼