「岩谷時子賞」を受賞した渡辺謙

 音楽・演劇界の明日を担う人材やその向上・発展に功労のあった人物・団体に授与する第7回「岩谷時子賞」授賞式が13日、東京都内で行われ、受賞した俳優の渡辺謙、映画字幕翻訳者の戸田奈津子氏、女優で歌手の新妻聖子ほかが出席した。

 岩谷時子賞奨励賞を受賞した新妻。ミュージカルデビュー作「レ・ミゼラブル」の訳詞を岩谷氏が手掛けていたことから「ミュージカル史としては、言葉や歌詞と共に歩みが始まった、私にとって岩谷先生は特別な方。お名前のついた賞を頂ける日が来るなんて信じられない思いです。頑張ってきて良かったと感謝の思いです」とスピーチした。

 この日、アメリカでは第70回トニー賞の授賞式が行われており、昨年の同賞でミュージカル主演男優賞にノミネートされた渡辺は「トニー賞をやっている日に日本のエンターテインメントの礎を築かれた方の賞をいただき、自分の国のエンターテインメントの世界で認めてもらえて、褒めてもらえたうれしさでいっぱいです」と受賞を喜んだ。

 また、世界を股に掛けグローバルに活躍する秘訣(ひけつ)を問われると「僕としてはグローバルな思いはなく、チケットを手に、呼ばれた先に行くというのがスタンス」と語り、「グローバルというところで言うと、その先に何が待っているか、大きな期待をせずに与えられたチャンスにどれだけ真正面からぶつかっていけるかということでやってきた十数年だったと思います」と振り返った。