――Joeさん加入でバンドの楽曲の方向性に変化はあったのですが?
クラオカ:変わりましたねえ。それまでより振り幅がやたらと広くなったというか。さすがJoeさんはいっぱい音楽聴いてるだけあるなあ~!
Joe:なにそのコメント!
クラオカ:アイドルとかいろいろ聴いてるだけあるな~!
Joe:アイドルにかぎらず聴いてますよ、音楽の幅が広がりましたね。
クラオカ:俺にはないモノをいっぱい持ってますよ…アイドルとか…。
Joe:もちろん、えんそくの音楽性は元々幅広くてなにかにとらわれているバンドではなかったと思うんです。加入するとなったときに、これまでの曲、多分50曲くらいあったと思うんですけど、当時から「V系にありがちなこういう感じ」では済まない作品が多かったんで。そういう意味では「もっと出来るな」と思ったし、何をやってもOKなんだなと思った。
――伸びしろを感じたということですか?
ミド:やりゃあえんそくっぽくなるから、やればいいんじゃないって。それが小難しくなると嫌なんですよ「音楽的にこうだから~」みたいな。このキーだからこうみたいなのは知らないし、それはもう「勉強の音楽」というか。
Joe:そこでよくぶつかります。私は「勉強の音楽」を重んじてることがあるので。
ミド:俺は理屈じゃなくて「つまらないことはつまらない」でやってるから。メロがピンときたらやるし。例えば仮歌がしっくりきたら、無理やり歌詞をつけるのも嫌なんですよね。その言葉を曲が欲しがってない。
――「曲が欲しがってない」とは面白い表現ですね。
ミド:だからすげー適当なワードでもハマってたらいいと思うし。曲で言うと…。『君はランボー』とか。
Joe:『ゴードン』や、『惡のミカタ』の「モーガン・フリーマン」もまさにそうですね。
――モーガン・フリーマンは最初聴いた時に驚きました。
クラオカ:強いんですよ!
ミド:声に出してみると、良いんですよ。一人になった時にやってみてください。言えるから!
――…ライブでの一体感はすごいですよね。
Joe:なんの疑いもなく皆やってくださいますからね。
――身体が先に動くところがえんそくの魅力でもあると思うんですよ。
ミド:一応モーガン・フリーマンにハマる言葉も考えたんです。
クラオカ:無かったッ!
ミド:あの人に変わる俳優はいないよ…。ディカブリオじゃダメじゃないですか。
――はい…(何故俳優縛り?)。
Joe:と、いう話をスタジオでしています(笑)。最初は「何喋ってるんだろうこいつら」って思ってました。たしか『ゴードン』作ったのって私がスタジオに入ったその日なんですよ。「じゃあ皆で合わせて演ってみましょう、何曲覚えてきたの?」というレベルの時に「じゃあ曲を作ろう!」って言い出して。
――それはどなたの発案ですか?
Joe:たしかぶうかリーダー(ミド)です。「えっまだスタジオで5曲くらいしか合わせてないし…」って。
ミド:もうその5曲でわかったんですよ。この人はまじめに練習してくる人だ、じゃあ曲を作ろう、と。
Joe:それで「なんか弾いて!」って言われて。それが『ゴードン』のイントロの部分なんですよ。
ミド:「今のえんそくに足りない曲はなんだろう?」って話し合って、えんそくはなんだかんだいって激しい曲が少ないなという話になり。
Joe:とにかくパワーのある曲を作ろうと。
クラオカ:ハッハッハ。
ミド:一旦お蔵入りになったんですけど、しばらくして「これサークルモッシュだ、電車だ! ゴードンだ!」ってなったんです。
クラオカ:ひとつに繋がったんです。「パワー」ってメッチャ言いたかった!
Joe:で、その日までは1回もスタジオ入ってないんですよ。そういうテンションだったんです。