初ステージでの“大きな失敗”がその後の成長に繋がった
——合格後、2015年11月11日に『出すぎた杭は打たれない/ドンデンガエシ/わたし』のリリースイベントでいよいよお披露目となりました。まわりの人たちからの反応や、実際に活動がはじまり、生活で変化した部分を教えてください。
上國料「イベントの後に、地元の友だちからもたくさんお祝いのメールをもらったのがうれしかったですね。加入と共に東京へ引っ越すことにもなったし、学校中心だったけどお仕事との両立が必要になったり、本当にまわりの環境が180度変わったなって実感しています」
——加入当初は高校1年生でしたが、その年代で上京するというのもめずらしい経験だったのかなと思います。正直、熊本県から慣れない場所へ移り住むというのは寂しかったですか?
上國料「やっぱり、寂しかったですね。東京へ来てすぐのときは不安がいっぱいだったし、ホームシックになっていた気がします。初めの頃はそれこそ、親も心配だったみたいで頻繁に連絡していたんです。
それに、くじけそうなことがあったときはレッスンの帰りに、泣きながら『帰りたい』と友だちに電話して相談していたんです。今はだいぶ慣れてきたけど、地元の友だちと電話で話すのは息抜きにもなっています」
——右も左も分からない中では、やはり不安もいっぱいだったんですね。グループのメンバーとしてお披露目されてから約半年。振り返るとあっという間でしたか? また、苦労された部分なども教えてください。
上國料「あっという間だったし、すごく早く感じられた気がします。苦労したのは、歌やダンス全般ですね。オーディションを受けてる時に学校のダンス部へ2ヶ月間所属していたくらいで、まったく経験がなかったんです。
加入発表後から基礎的な練習が始まり、本格的な練習を始めたのは12月のハロー!プロジェクトのコンサート(『Hello! Project 2016 WINTER』)に向けたリハーサルからで、振り付けを覚えるのもそうだし、歌いながら踊るというのも初めてのことばっかりで大変でした」
——普段の生活だけではなく、身のまわりのすべてが本当に“初めてづくし”だったんですね。パフォーマンスについて、実際にやってみて驚いたことはありましたか?
上國料「フォーメーションを覚えるのが、想像と違っていたんです。単純に位置を覚えるだけかと思っていたんですけど、移動する順番も細かく覚えるというのを初めて知りました。
例えば、誰かが移動したらその後ろを通って自分は次の立ち位置へ移動したり、考えていたよりも覚えることがたくさんあったのが驚きました。加入した頃と比べれば慣れてきたけど、足りない部分もあるのでまだまだだなって思います」
——試行錯誤しながらも、2015年12月31日のカウントダウンコンサート『Hello! Project COUNTDOWN PARTY 2015〜GOOD BYE&HELLO〜』では、いよいよステージデビューされました。当時の心境はいかがでしたか?
上國料「じつは、あんまり記憶にないほど最初から最後まで緊張していて。でも、2曲目の『大器晩成』で間違えてしまったのははっきりと覚えています(笑)。立ち位置を間違えてしまい、一瞬、フォーメーションから外れちゃったんです……」
——ある意味、伝説ともいえる“ウロウロ事件”ですね(笑)。客席やスクリーン越しからも、立ち位置へ戻ろうと慌てふためく様子が伝わってきましたが、実際、その瞬間はどういった思いだったんですか?
上國料「たくさんのお客さんが目の前にいるし、頭の中がパニックになっちゃって。初めてのステージでただでさえ緊張しているのに、テンパり過ぎて『私は何をやっているんだろう』って思っていました(笑)。思い出したくないほど恥ずかしかったんですけど、その失敗があったから『2度とあんな思いはしたくない』と気持ちが引き締まった気もします」
——初めてのステージで大きな失敗をしたのは、むしろ今となってはプラスに働いているんですね。
その後、加入からわずか3ヶ月でツアー「アンジュルム ライブツアー 2016春『九味一体』」もスタートしました。お披露目からカウントダウンコンサート、ハロプロの合同コンサートとかなり短期間だった印象も受けますが、いかがでしたか?
上國料「アンジュルムの曲をそれまでよりもたくさん覚えることができたし、大変だったけど、個人的には大きく成長するきっかけになりました。リハーサルではダンスの先生や先輩たちが毎日、1人ずつみっちり教えてくれる時間があったのもうれしかったですね」