震災後、ゆずの『Hey和』や『栄光の架橋』のリクエストがラジオ局に急増した。
人々を励まし、勇気づける――そんな歌を作ってきた彼らにはストリート時代からの変わらぬ想いがあった。

自己表現だけで完結しないゆずが愛される理由

身近なところで寄り添う歌。ゆずの音楽にはそんな表現がしっくりくるのではないだろうか。デビュー15周年を迎えた今も彼らの音楽が幅広い層から支持されているのはその“近さ”ゆえだろう。近いというのは生活に密着した等身大の姿が描かれていること、そして届けたいという想いが詰まっているということ。ストリート出身で路上での弾き語りスタイルのパイオニアでもあるゆず。原点は「立ち止まって聴いてもらってなんぼ」だった。ドーム規模でのライブを開催するようになった今もその本質は変わらない。つまり自己表現で完結する音楽ではないのだ。