元五輪陸上選手の為末大氏が運営する「為末大学ランニング部」に参加する子どもたちの保護者を対象に、スポーツ写真を上手く撮るためのコツを伝授する写真教室が先週、東京都内で行われた。
講師は、シドニー以来7回五輪撮影を手掛けてきたスポーツ写真家、アダム・プリティ氏(ゲッティ・イメージズ所属)。瞬間の動きを捉える技術が必要なスポーツ写真を上手く撮るためのコツを分かりやすく伝えた。プリティ氏は「撮りたい“一瞬”を逃さないように、コンセプトを考えて撮影することが大切」とアドバイス。
今回、カメラマンとして参加した為末氏は、「普段は撮影される立場が多いので、撮影する側で経験ができ、とても面白かったです。選手にとっても、写真によっては競技に集中している自分がどう見えているかを、客観的に見ることができます。転んだ瞬間もあれば、立ち上がろうとする瞬間もあります。写真はどの一瞬を切り取るかによって、相手に伝わるメッセージが変わる点が魅力です」とコメント。
イベントを終え、講師のプリティ氏は2週間後に開幕するリオ五輪での撮影機材について「リオにはレンズの向きが自由に動いたりズームも可能な新しい水中ロボットカメラや360度全方向を撮影できるカメラを持っていきます。五輪はカメラマンにとっても最高峰の舞台なので、現地から感動を伝えられることがうれしい」と語り、為末氏は2020年の東京五輪を目指す未来のアスリートに次のようなメッセージを残した。「大きなプレッシャーの中で勝利した選手が見せる表情や行動は、見る人に強い印象を与えます。五輪の大会では、そのような瞬間を日本中が共感できると思っています。彼らにはぜひ頑張ってほしいです」
リオ五輪は現地時間で8月5日から21日、パラリンピックは同9月7日から18日まで開催される。