史上最強の5人と呼ばれた体操男子団体・日本が、有言実行の金メダルを獲得した瞬間は『リオ五輪』のハイライトのひとつと言えるだろう。4年前に銀メダルに終わった内村航平、田中佑典、加藤凌平、山室光史も、初の大舞台に臨んだ新星・白井健三も「ターゲットは団体金メダル」と宣言し、リオに乗り込んだ。12年ぶりに団体金メダルをもたらした内村は「「3回目の五輪でようやく一番ほしかったものが手に入れられた」と喜びを表した。エースにとって団体の金メダルは、最終種目の鉄棒で、オレグ・ベルニャエフを逆転し、個人総合連覇を果たした金メダルよりも、渇望してやまない目標だったのだ。
予選4位からの金メダルを実現した要因を、5人は次のように語った。
「予選で出遅れたからこそ気付けた部分があり、そこでうまく開き直れた」(内村)
「これまで苦楽をともにしてきたメンバーとスタッフの団結力。団結力を持って信じて戦った」(田中)
「変わらない団結力、どんどん絆が深まっていったのが、団体金につながったと思う」(加藤)
「4人が同じ所属で弟分みたいな健三のチームだったので本当に仲が良く、ミスが出たとしてもカバーし合って、変な緊張感も出ずリラックスしながらできた部分が強かった」(山室)
「予選4位と出遅れたが、失敗の原因もわかっていたし、1位との差もそんなに大きくなく、焦らなかったことが、決勝でうまくいった」(白井)
内村が全種目で見せ付けた完成度の高さ、加藤が5種目で発揮したオールラウンダーぶり、田中が平行棒で披露した美しい倒立、山室が見せたつり輪の力技、白井が跳馬とゆかで決めたひねりは、どれもファンの記憶に刻まれた。
体操王国ニッポン完全復活のインパクトを与えた5人が、再び集結する。10月16日(日)・東京体育館で開催される『2016プレミアム体操東京エキシビジョン』に出場するのだ。10月15日(土)には内村、加藤、田中、山室が『全日本シニア体操競技選手権大会』にエントリー。リオからの凱旋演技をお披露目する。ロンドンからリオ、リオから東京体育館、そして4年後の東京へ――。体操王国ニッポンの栄光の物語は続く。10月14日(金)~16日(日)・東京体育館で行われる『全日本シニア体操競技選手権大会』のチケットは発売中。