朝井リョウの直木賞受賞作を映画化した『何者』の完成披露試写会が8月30日(火)に開催。主演の佐藤健をはじめ、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之、三浦大輔監督がそろって舞台あいさつに登壇した。
就職活動に臨む若者たちが、互いに協力し合いつつも、内心では嫉妬や葛藤、焦燥に駆られ、複雑な感情を交錯させていくさまを描き出す。
この日は、屋外でのレッドカーペットイベントが開催される予定だったが、台風の接近の状況を受けて、安全に配慮し中止となった。代わりに劇場内での舞台挨拶でも会場内にレッドカーペットが敷き詰められ、佐藤らキャスト陣は観客の間を通って登場し、大歓声を浴びた。
登壇陣は全員、黒を基調としたフォーマルな衣裳だが、それぞれに異なるカラーをワンポイントの挿し色として取り入れている。佐藤は「現場で(佐藤、有村、二階堂、菅田、岡田の)5人でいることが多くて『戦隊っぽい』『ゴレンジャーじゃね?』と話してたんです。(舞台挨拶で)同じ色を挿し色にすることは多いけど、『何者』の場合は役の個性がみんな違うので、色を変えて立った方が合うと思ってやってみました」と意図を説明した。佐藤は赤、有村はピンク、二階堂はオレンジ、岡田は紫、菅田はスーツの左足の膝の部分に緑のスカーフを巻くという独特のセンスで、佐藤から「君の生き様が表れてる(笑)。足を折ったのかと思われそう」と突っ込まれていた。
ちなみに佐藤演じる拓人と菅田が演じる光太郎はルームシェアしている親友同士で、有村演じる瑞月は光太郎の元カノ。しかし、拓人は瑞月にひそかに思いを寄せていて…という複雑な三角関係にある。菅田はこの関係性について「大変ですよ! みんなのタケルン(=佐藤)よりもモテる設定ですから! ドキドキでした」と述懐。光太郎は天真爛漫系と称される明るい男子だが「読み合わせで、有村さんに『光太郎のどうゆうところが好き?』と聞いたら『まっすぐなところ』と言われて、あまり考えずに演じようと思った」と振り返る。ここで佐藤が「それはノロケ?」と再びツッコミを入れ、菅田が「演技論です!」と返し、会場は笑いに包まれた。
三浦監督は「企画が始まって約2年。やっと完成しました」と万感の思いを口にすると同時に、作品の出来栄えに関しても自信をうかがわせていた。
『何者』
10月15日(土)全国公開