WOWOW初となるオリジナルドラマ×舞台連動プロジェクト「ワケあって火星に住みました~エラバレシ4ニン~」の出演キャストによる舞台版ビジュアル撮影が行われ、刑事・東山樹役の崎山つばさ、トリマー・赤井陽太役の須賀健太が役のイメージ衣装で撮影に臨んだ。インタビューでは、新しい試みである今回のプロジェクトへの意気込みや、初共演というお互いの印象を語ったほか、誰しも一度は空想したことのある“宇宙トーク”で大いに盛り上がった。
鈴木おさむがドラマの脚本、舞台の演出・脚本を手掛ける本作は、実在する火星移住計画「マーズワンプロジェクト」に着想を得た、最適な“火星への移住者4人”の組み合わせの試行錯誤を楽しむシチュエーションコメディー。ビジュアル撮影では、登場人物のプロフィールとプロットのみという少ない手掛かりから、エプロン姿にはさみを手にした須賀と、スーツ姿に銃を携えた崎山が、物語同様に、試行錯誤しながらキャラクターをつかんでいく様子が見られた。
-まずは、鈴木おさむさんとご一緒することも含めて、出演が決まったときの率直な感想をお願いします。
崎山 まず、火星に住むというのは、想像のつかないことなんですけど、でも事実に基づくお話というところが興味深くて、すごく面白いなと思いました。そこを舞台とドラマで表現できるのは新しい。役どころとしても、刑事だけどナルシシストでちょっと抜けているみたいなところもあって、遊べるなという思いがまずありました。
須賀 僕は「人にやさしく」(2002年・フジテレビ系)でご一緒した鈴木おさむさんと、またご一緒できるのがすごくうれしくて。そこがある意味キャリアのスタートというか、僕にとってすごく大きな作品だったので。さすがに、あのときからは成長していると思いますけど、それをちゃんとお見せできたらという気持ちもあります。
-鈴木さんの「この17年で培ってきたものをぶつけ合いたい」というコメントもありますが。
須賀 そのコメントだけを聞くと、おじいちゃん同士みたいな感じですけど(笑)。あのときは(俳優業を)ずっと続けるなんて想像もしていなかった。またご一緒できるだけでもうれしいのですが、やっぱり面白い作品にしたいなと思います。
-共演するに当たってお互いの役者としての印象をお聞かせください。
崎山 いやもう重鎮ですからね。大先輩ですし、かじれるものはかじっていきたい。個人的に見させてもらった舞台もあって、やはり存在感がすごいなと思いました。今まで共演したことはありませんが、知り合いの知り合いだったりもするので、すごく楽しみな部分と、いろいろ聞きたいなって思うところもあります。
須賀 僕も存じ上げてはいて、共演できるのは単純にうれしいです。役者さんがたくさんいる中では、年齢も近い方だと思うので、仲良くなれたらいいなと思います。あとは出演者が少ないので、早く仲良くなって、いっぱいごちそうをしてもらおうと思っています。僕が一番下なので(笑)。
-ドラマ版が放送された後、すこし期間が空いてから舞台というスケジュールですが、とても新しい試みですよね。プロジェクトを通してどのように役作りをしていこうと思っていますか。
崎山 ドラマはドラマで、関わってくる人が違うと思うんですけど、舞台ではチームワークが大切になってくると思います。4人だからフットワークは軽くいけるのかな。なるべく4人でいろいろなことをして、いろいろな場所に行って、いろいろなことを思うというような、共通の時間を大切にしたいという感じです。
須賀 まずドラマが先なので、個々の役作りに関しては、舞台の頃にはある程度出来上がっていると思います。ただ単に連続ドラマと舞台があるわけではなくて、時系列的にも入り組んでいたり、ドラマと舞台の連動に関しても面白いシステムになっているようなので。逆に舞台を見てからドラマに戻ったり、そういったミックスの仕方も楽しみなところではあります。
-普通の作品より、キャスト同士が一緒に過ごす時間も長いんでしょうか。
須賀 ドラマの中では会うのかな…? ドラマはオムニバス形式なので、そういう意味では舞台で「やっと会えたね」という感じになるのかも。逆に出演者よりお客さんの方が知っている情報が多い作品になるのかもしれないです。
-火星に移住するのがテーマの作品ということで、これまで何か宇宙について興味を持ったことはありますか。
崎山 あります。小さい頃、惑星の仕組みだったり宇宙自体にすごく興味を持った時がありました。大学に行って宇宙の勉強をしたいとまで考えていました。宇宙ってまだ知られていない部分が多いじゃないですか。そういうところにすごくそそられるんです。火星が酸素量とか地球に近いんですよ。すごく興味深いなと思いますし、実際に火星に行けるとしたら行ってみたいです。
須賀 月の土地が買えますよね。火星の土地も買えるなら買っておきたいです。本当に火星に移住するとなったら、あらかじめ買っておけば「ここからここまで俺の土地!」ってできるから(笑)。それから、俳優同士で「宇宙人がいるのかいないのか」という論争になることはあります(笑)。最後の方はけんかになるくらいマジで語っています。僕は、宇宙人はいる派。いると思います。
崎山 知られていない部分もあるし、いてもおかしくないですよね。
須賀 「宇宙人はいる」って言われていますから。人類の何人かに一人は地球人と宇宙人のハーフらしいですよ。僕の友達のお母さんで、「宇宙人にさらわれた」って言っている人もいる。めちゃくちゃ面白いじゃないですか。もしかしたら本当にハーフがいるかもしれない。
-劇中では、人類の未来を託されて火星に送り込まれた4人は地球に帰ることができません。もしお二人が行くことになったらそこでの生活にうまくなじめるでしょうか。
崎山 例えば、地球でルームシェアをするだけだとしても、どれだけ仲が良くても、できる人とできない人って絶対にいますよね。それなのに火星でとなると、どういうことになっていくのか、不安は大きいです。状況的に4人で住まなきゃいけないのだとしたら、なんとか頑張るかなとは思いますけど。
須賀 規模にもよります。一人部屋があるのかどうか。4人一部屋だったらちょっと難しいかもしれませんが、一人一部屋あって、さらにリビング的なものがあるなら全然いけると思います。
-最後に、作品の見どころとファンへのメッセージをお願いします。
崎山 ドラマを見てから舞台を見に来てくださるのもいいですし、舞台を見てから再度ドラマを見たらさらに楽しめると思います。いずれにせよ純粋にエンターテインメントとして楽しめると思うし、会話劇としても楽しめると思います。そのあたりを見てほしいなと思います。
須賀 今の段階では僕としても想像の中ではあるのですが、舞台・ドラマの双方のファンの方が、お互いに見に来てくれたらと思います。普段はドラマしか見ない方も、これをきっかけに演劇にも目覚めてくれたらうれしい。ぜひ劇場に足を運んでもらえたらと思います。
(取材・文・写真/小林裕美)
WOWOWオリジナルドラマ「ワケあって火星に住みました~エラバレシ4ニン~」は2020年1月24日から放送スタート。毎週金曜深夜0時からWOWOWプライムで放送。舞台は、2020年5月16日~24日、都内・サンシャイン劇場ほか、大阪で上演。
ドラマ公式サイト https://www.wowow.co.jp/drama/erabareshi4nin/
舞台公式サイト https://stage-erabareshi4nin.com