舞台「DISGRACED/ディスグレイスト-恥辱」の囲み取材&公開通し稽古が8日、東京都内で行われ、出演者の小日向文世、秋山菜津子、安田顕、小島聖、平埜生成が登場した。
現代アメリカの人種と宗教問題をテーマにしたこの作品は、4人の異なる背景を持った男女の会話の応酬から人間の本質を描き出し、2013年にはピュリツァー賞の戯曲部門を受賞。今回、演劇界の重鎮・栗山民也の演出で、日本初の上演が行われる。
主人公のパキスタン系アメリカ人・アミールを演じる小日向は、「久しぶりの舞台。1年8カ月くらいかな。正直緊張しています。セリフを忘れないようにできるかどうか」と不安を口にした。
他の出演者との共演について聞かれた安田は、「思った以上に皆さん素敵な方々。穏やかな方が多いのでいいチームワークを作れそうです」としながら、自身の演じるユダヤ人のアイザックという役については、「ユダヤ人に見えるように頑張りたい。大先輩の小日向さんと同世代という設定の役なので、注目してほしいですね」とPR。また、東京だけではなく、名古屋や神戸でも公演が行われることに触れ、「神戸に行った時は小日向さんに神戸牛をごちそうしてもらおうと思っています。8500円のところを見つけたんですよ」と語り、「ずっと言っているんですよ」と小日向を笑わせた。
アミールの妻・エミリーを演じる秋山は「(小日向とは)3回目の共演だけど、ここまでがっつり絡んだことはない。大先輩の胸を借りて濃密にやっていきたい」と意気込み、アイザックの妻・ジョリーに扮する小島は「ぼーっとしていると置いていかれてしまうのでしっかりやりたい」と、稽古の激しさに言及した。
また、物語のキーとなるアミールのおいを演じる平埜が、「皆さんからのきっちりとバトンを受け取っていかないと消されてしまうので」と笑わせると、安田が「彼の若い熱さに腹が立ちます。(平埜の役は)あと2歳若かったら僕がやっていた」とジョークで返しつつも、「お芝居に対する姿勢が素晴らしい」と、平埜を絶賛していた。
最後に小日向は自身の頭を指さし、「これ、パキスタン人に見えるかな? ヘアーアイロンでくりくりの頭にしてもらって、けっこう気に入っているんです。(この物語を)客席に伝えるために立ち向かっていきたいと思います。この頭で」と意欲を見せた。
舞台は10日~25日、都内、世田谷パブリックシアターほか各地で公演。