都会の喧噪から離れた高級住宅街の一角に、懐かしい雰囲気の漂う木造アパートが静かに佇む。ここは東急田園都市線たまプラーザ駅から、歩いて10分ほどのところにある「Share Designers College たまプラーザ(通称:SHARE de COLLEGE)」。最近ブームになっているシェアハウスだが「3年間限定」「改装自由」「シェア」を売りにしている点が、他のシェアハウスと比べて珍しい。3年後に取り壊し予定の建物のため、個室だけではなく共有スペースの改装も自由という、夢のような空間! 一体どんな人たちが、どんな目的を持って、どんな暮らしをしているのか。とある休日の夜に訪れてみた。

様々な分野のクリエイターがともに住まう

玄関はポップな学校みたい

玄関を入ってすぐに目にしたのは卓球台。昔小学校にあったかもと思い出す時計台もあり、内観もノスタルジックな香りがぷんぷん。廊下に設置されている黒板には、ライブや個展の告知が書かれ、入居者の顔写真などが貼られている。むむ、これは一体誰のライブ? 誰の個展? 実はSHARE de COLLEGEには、デザイナー、映像クリエイター、建築家、俳優、アーティスト、イラストレーターなど、クリエイター職に就いている住人が多く入居している。職業はクリエイターでなくても、ものづくりに何らかのかたちで関わっている人であれば入居できるそう。音楽系の職業に就いている住人も多いため、ドラム、ピアノ、ギターなどを設置した音楽ルームや防音室も完備。住人数人に「どうしてSHARE de COLLEGEに入居したのか?」と聞いてみると「お互いが持っている知識・技術を教え合えるから」「それぞれの得意分野を持ち寄って、皆でコラボできることがありそうだから」などと話す。「バンドマンからギターを教えてもらううちに、ギターが趣味になりました」などというように、趣味が1つ増えたという住人も。得意なことを「シェアし合う」ことで、お互いの人生が豊かになる――それがSHARE de COLLEGEに住む醍醐味でもある。

黒板には告知がずらり
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音楽ルームには楽器が揃う
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