コウノトリが生まれたばかりの赤ちゃんを届けるために奔走するアドベンチャー映画『コウノトリ大作戦!』が公開されている。本作は愛らしいキャラクターが目をひく作品だが、ピクサー出身のクリエイターと米コメディ界で活躍する監督がタッグを組んだ作品で、劇中は“爆笑”と“冒険”の連続で、最後には意外(!?)にも感動が待っているようだ。
コウノトリは“赤ちゃんを運ぶ幸運の鳥”と呼ばれているが、劇中で主人公ジュニアが働く宅配便会社では、赤ちゃんのお届けが禁止されており、売り上げが稼げる小包配達が重視されている。しかし、思わぬ手違いから誕生した人間の赤ちゃんと対面したジュニアは、赤ちゃんの可愛さにメロメロになり、会社に内緒で危険に満ちた“赤ちゃんお届けの旅”にでる。出世したいため、会社で配達が禁止されている赤ちゃんをイチ早く届けてしまいたいジュニアと、そんなジュニアにまったくなつかない赤ちゃんのコンビが、旅の中で少しずつ接近して“家族”になっていくドラマが大きな見どころだ。
公開前に配給会社が行ったモニター試写では「最初は仕事のためだけに生きているジュニアが、優しく、父親のようになっていく姿に感動した」「最初はいがみ合っていたジュニアと赤ちゃんが、本当の家族のようにお互いを必要としていくようになる姿に感動した」などの声が集まっているという。監督を務めたダグ・スウィートランドは、ピクサー出身のフィルムメイカーで、観客が共感できるキャラクターとドラマを描くことに注力したようだ。
ちなみにもうひとりの監督ニコラス・ストーラーは『ネイバーズ』などコメディ作品を数多く手がけてきたが「この作品の原点は、僕が子供を授かるのに苦労した経験なんだ。子供を授かることの有り難さと喜び、そして、子供を通して家族になっていく姿を描いている」と語っており、彼の人生経験も、本作のドラマに大きく貢献しているようだ。
もちろん、ストーラーの“コメディ”の才能も本作ではいかんなく発揮されている。先のモニター試写では笑い声がたくさんあがったそうで、中でもジュニアと赤ちゃんを狙うオオカミの群れが劇中で見せる“組体操”のシーンに関するコメントが続出。彼らはフォーメーションを組んで即席で橋や潜水艦に変身するが、その姿は恐ろしいオオカミなのに愛らしく、少しマヌケで好評を集めていた。
冒険、感動ドラマ、CGアニメーションならではのギャグ、魅力的なキャラクターと鑑賞者はそれぞれ“おすすめポイント”をもっているようで、今後、口コミがさらに広がりそうだ。
『コウノトリ大作戦!』
公開中