『アメイジング・スパイダーマン』 6月30日(土)公開
©2012 Columbia TriStar Marketing Group,Inc.

  映画業界がもっとも盛り上がる夏映画シーズンだが、近年は洋画不振が叫ばれて久しい。
そんな中、シリーズものが集中するハリウッド映画の“新たな挑戦”は、洋画復興の一歩となるか。

マンネリからの脱却を図るハリウッド映画の冒険心

スタッフ、キャストを一新して新章スタートとなる1位の『スパイダーマン』をはじめ、TOP10中8作がシリーズやリメイク系の作品がランクイン。
調査協力:マクロミル(2012. 4.20~4.21/対象者200人/複数回答)
拡大画像表示

ハリウッドからエンタメ大作がまとめてやってくる夏映画戦線がいよいよ間近に。ただし洋画不振と言われ続けている中、ラインナップは例によって続編、リメイク、リブートなど過去のヒット作のバリューに頼ったシリーズものばかりで、固定ファンを見込んだ手堅い商いにハリウッドの保守化と企画力の衰退を嘆く声は根強い。

しかし、である。本当にハリウッドは冒険心を忘れているのだろうか? いや、実はマンネリや空疎なスケールアップに陥りがちなシリーズものだからこそ、大手スタジオやプロデューサーはフレッシュな才能を取り込んで質の向上を図り、さらなる客層の開拓に必死なのである。そんな好例が、新鋭マーク・ウェブを監督に大抜擢した『アメイジング・スパイダーマン』だろう。『スパイダーマン』と言えばソニーピクチャーズのドル箱コンテンツだが、キャストもストーリーも一新する今回のリブートを任されたマーク・ウェブの映画界の実績は、まだ長編デビュー作となった低予算の恋愛映画『(500)日のサマー』のみ。同作の高評価を受けての人選とはいえ、スタジオ側もかなりの勇断だったはずだ。