3月23日・第4回新型コロナウイルス対策連絡会議後記者会見より(C)J.LEAGUE

4月3日、第5回『新型コロナウイルス対策連絡会議』の記者会見がWeb会議システムで実施された。会議を終えてNPB・斉藤惇コミッショナーとJリーグ・村井満チェアマンは次のように語った。

「残念ながら状況は厳しい。この後12球団で話すが、4月24日(金)開幕は延長せざるを得ない。NPB、Jリーグとも現役選手に感染者が出た。日程再調整を慎重にしていきたい」(斉藤)
「厳しさはさらに一段上がった。各クラブと今後の在り方の議論を深めていきたい。今我々が考えている日程をそのまま実行するのは難しい。市中における蔓延期なら、無観客試合でも無責任な判断だと思う」(村井)

専門家チームの3人は以下のようにコメントした。
「オーバーシュートと言えなくとも、どこでも誰でも感染のリスクを起こり得る。早く開催してほしいが、4月に開催するのは非常に難しい。専門家としてできる限り開催を後ろにしてほしい」(東北医科薬科大学医・賀来満夫教授)
「3月28日頃から局面が明らかに変わってきた。虫垂炎で入院した患者にもコロナウイルスが見られるようになった。いつ開催できるか答えは誰にもわからないが、おそらくピークは4~5月。5月の終わり頃には何とかなるのではないかと期待を込めている」(愛知医科大学・三鴨廣繁教授)
「何とか持ち堪えている状況ながら、フェーズは変わりつつある。市中における蔓延期になってきた。これがいつピークを迎え、いつ収まるのか推定するのは難しいが、2~3週間でピークアウトするとは考えにくい。ひと月ふた月で考えないといけない」(東邦大学・舘田一博教授)

ペナント開幕後、リーグ戦再開後、選手に感染者が出た場合の対応について質問が飛ぶと、コミッショナーとチェアマンはこう答えた。

「選手同士の接触がある。先生方の意見、世界の状況を見て、我々で新しいルールを作っていかないといけない」(斉藤)
「感染者がひとり出たら試合を延長するわけではないし、ひとりを隔離すればいいというわけでもない。保健所の判断によって何人隔離するか決まる。それで試合ができるのかの判断になる。今作っているプロトコルの精度を高めていかないといけない」(村井)

当会議が5度目を迎え新たな課題が見つかったか問われると、ふたりは次のように返答した。

「今まで考えてきたこと、準備してきたことの幅や重要度が増えた。村井チェアマンが言ったように無観客試合でもリスクは重大と考えないといけない。これを考慮し検討したい」(斉藤)
「今までは観客を安心安全にお迎えするのが軸だったが、今後は選手が感染した際の試合を実施する・延期するなどを機動的な判断でやっていきたい」(村井)