『梅ちゃん先生 完全版 DVD-BOX1』 NHK  Amazon7net

NHKの朝ドラ『梅ちゃん先生』が、ちょうど折り返し地点に差し掛かった。6月13日までの平均視聴率は20.0%(ビデオリサーチ社調べ・関東地区)。このままいけば、『ゲゲゲの女房』や『おひさま』、『カーネーション』も超えて、2003年の『こころ』以来となる全話平均20%超えを記録するかもしれない。

ハッキリ言って、『梅ちゃん先生』は作品としてのクオリティを求めるよりも、雰囲気を楽しむタイプのドラマだと思う。細かいところを気にすると、いろいろとツッコミどころは多い。ただ、朝ドラは楽しく見られるという部分も重要なので、それが今回の高視聴率につながっているような気がする。その楽しさの中で自分が一番気に入っているのは、ヒロイン・梅子(堀北真希)と、第13週終了時点で梅子の恋人である松岡(高橋光臣)との関係だ。とにかく、2人ともちょっと変わったタイプなので、そのやりとりがかなり面白く描写されている。

ということで、今回は『梅ちゃん先生』の前半戦と重なった4~6月期の連ドラも含め、この春のドラマにおける恋愛模様をざっくり振り返ってみよう。

『梅ちゃん先生』は、東京の蒲田を舞台に、終戦後の焼け野原から高度経済成長期にかけて、ヒロインの梅子が町医者となって地域の人々と生きていく物語。朝ドラは最初からヒロインの相手役がハッキリしている場合もあるが、このドラマはそうではない。番組開始当初には、梅子が姉・松子(ミムラ)の婚約者である吉岡(成宮寛貴)に淡い恋心を抱いてしまう描写があり、女学生時代には、父・下村建造(高橋克実)の教え子である山倉(満島真之介)に梅子が求婚されるシーンもあった。ただ、この山倉は、もともと松子に一目惚れして結婚を申し込んだものの、断られたので隣にいた梅子に求婚したといういい加減な流れだったので、梅子の恋愛対象には最初からなっていない。

山倉は、根は悪い人間じゃないというか、意外と愛すべきキャラで、その後も梅子との友人関係は続いているのだが、ドラマ内ではどうにもモテそうじゃない。梅子が医専に通っている時期は、梅子の友人・雪子(黒川智花)にターゲットを替えたりもして、未だに結婚相手は見つかっていない。建造が教授を務める帝都大学医学部附属病院に勤務してからは、同じく梅子の医専時代からの友人・弥生(徳永えり)と一緒にいることが多いので、この組み合わせもアリかという時期もあったが、弥生はまったく眼中にない様子。おそらくこのままフラれキャラなんだろうな。ちなみに、山倉を演じている満島真之介は満島ひかりの弟。つまり、姉弟そろって朝ドラヒロインの友だちを演じるという、ちょっと珍しい状況になっている(満島ひかりは『おひさま』で井上真央の友人だった)。