「巨神兵像」竹谷隆之作 (C)2012 二馬力・G
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『風の谷のナウシカ』と聞くと、1984年に公開された劇場アニメを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。人間の住めない腐海(ふかい)の脅威に苦しむ未来世界で、風の谷に住む少女ナウシカが戦争や混乱に巻き込まれながらも、巨大生物の王蟲(おーむ)と心を通じ合い危機を切り抜けていくストーリーです。

ただしこのアニメには原作が存在します。徳間書展のアニメ雑誌「アニメージュ」に連載されていた同名漫画『風の谷のナウシカ』です。作者はもちろん宮崎駿氏。今では映画監督やスタジオジブリの代表としての顔が強いでしょう。

「アニメージュ」での連載は1982年から1994年まで、10年以上の長きに渡って続きましたが、それでも全59話しかありません。原因は「週刊少年ジャンプ」の『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博)ばりに休載が繰り返されたためです。

ただ休載には止むを得ない面もあります。連載開始の頃もテレビアニメ『名探偵ホームズ』を手がけ、先に書いたように1984年には劇場アニメ『風の谷のナウシカ』を制作、1985年にはスタジオジブリを創設し、『天空の城ラピュタ』(1986年)、『となりのトトロ』(1988年)、『魔女の宅急便』(1989年)、『おもひでぽろぽろ』(1991年)、『紅の豚』(1992年)、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)と続けて劇場作品を発表していきます。

この間、「アニメージュ」誌上では宮崎氏の謝罪文や謝罪する自画像が何度も掲載されました。私も含め『またか』と思いながらも『まぁ仕方ないか』と思った人は多いのではないでしょうか。