ジャズ界の巨匠と称えられるヴィブラフォン奏者ゲイリー・バートンと、ジャンルを越え世界で活躍するピアニスト小曽根真の3年ぶりとなるデュオ・ツアーが開催される。70歳を越えたバートンは、小曽根とのツアーを最後に演奏活動の一線から退く意思を示しており、長い音楽人生に終止符を打つ。30年にわたり共演を重ねてきたデュオも今回限り。そんな特別なツアーを目前にして、小曽根真が思いを語った。
「今の僕の音楽は、彼との出逢いなくしてはない、と言えますね。超絶技巧や派手な演奏が好きだった僕に、見せる音楽ではなく、聴かせる音楽を教えてくれて、世界中に僕を連れて行き紹介してくれた。そのおかげでどれだけ僕の名前が世界に出たかっていうことです」と開口一番、熱い思いと感謝を語る小曽根。
バークリー音楽大学の学生だった小曽根の才能をいちはやく見出し、キャリアを後押ししたゲイリー・バートン。共演を重ねてきた音色を「あの人がバーを叩くと、ポーンといった瞬間に音が湯気みたいにふわーっと上がってくる。音が見えるよう。ゲイリー・バートンが優しく弾いた時のヴィブラフォンは、世界で唯一無二の音がする」と表現。
自分たちが好きな音楽、新しい音楽に挑戦することを続けてきたというふたり。「“最後はマコトとやりたかった”と言ってくれて。僕が生徒だったということもあり、彼もどこかでホッとする部分があるんじゃないかな」
ピアノとヴィブラフォンが織りなす珠玉のデュオ。今回、アコースティックにこだわった生音でのライブ公演となる。ジャズ、ブルース、カントリーミュージック、クラシックと長年のキャリアで培った音楽が凝縮され、進化と成熟を遂げた唯一無二の音楽。ふたりの偉大なミュージシャンのファイナル・ステージは見逃せない。
公演は5月29日(月)の東京公演を皮切りに、山形・大阪・福岡・愛媛・北海道・東京・神奈川・埼玉など全国を巡る。チケットは発売中