松方弘樹さんの思い出を語った北野武

 1月21日に脳リンパ腫のため死去した俳優の「松方弘樹さんを偲ぶ会」が6日、東京都内のホテルで行われ、会の終了後に、北野武が囲み取材に応じ、松方さんとの思い出話を語った。

 偲ぶ会の発起人の一人でもある北野は「悔しいというか寂しいね」と心境を吐露。松方さんといえば、酒に関する“豪快エピソード”が有名だが、改めて「松方さんはすごかったね。飲み屋のお酒が全部無くなったこともあった。すし屋で7升だよ。その後、近くのスナックでウォッカを2本飲んだこともあった。それで平気な顔して帰っていくから、あの人は…」と懐かしんだ。

 映画スターの松方さんがテレビバラエティーの「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」に出演した時は誰もが驚いた。北野は「松方さん自体は『俺は笑っているだけでいいのかい?』って聞くけど、(スタッフは)『いや、その絵がほしいので』と。番組自体、松方さんが出てくれるだけで箔(はく)が付いたね」と感謝の思いを口にした。

 この日、松方さんに掛けた言葉を問われると、「面白かったね。それしか言わなかった」と語った北野だが「最後の最後、ちょっと松方さん、つまんねぇなって…。最後まで楽しくやりたかった」と本音もポツリ。

 「けど仕方ないね。変な話、選ばれた幸せな人だと思いますよ。モテ過ぎていろいろあるんだろうけど、人間生まれてくればいつかは死ぬ。もうちょっとね、酒を飲んで笑っている姿を、もう2年でもいいから見たかったね。それはこっちのぜいたくかな」と故人をしのんだ。